(写真=各社HPより)
「英国ベスト&ワーストショップ」が発表され、ベストショップには日本にも複数店舗を持つ有名店が選ばれた。逆にワースト5にも有名アパレルブランドがランクインするなど、日本人にも興味深い結果だった。
これは英消費者協会Which?が9500人の消費者を対象に実施したアンケートをまとめたもの。各企業の価格、品質、カスタマーサービス、環境への配慮などを総合的に評価するもので、消費者の生の声を反映していると言えるだろう。
昔から無愛想で知られる英国人。ここ数年でようやく「良質なカスタマーサービスが需要につながる」という当たり前の事実に気付いた企業が増加し、サービスの向上や従業員の教育に力を入れ始めたようだが、日本の「お客様は神様です」という至れり尽くせりのサービスには、まだまだ程遠い現状だ。
2015年のベストショップに選ばれた企業は、いずれもフレンドリーで丁寧な接客、クオリティーの高い商品、良心的な価格設定、丁寧なアフターケア、環境保護に積極的に取り組むなど消費者が喜ぶツボを熟知している。
対してワースト入りした企業は、消費者いわく「スタッフが傲慢」「品質と値段が釣り合っていない」「アテにならないアフターケア」など、セールスに大きく響きかねない欠点が目立つ。今回の結果で一番意外に感じるのは、日本でも人気のアパレルブランド、TOPSHOPとH&Mがワースト入りしていることかも知れない。しかし本国では、ファッション性への評価は高いものの、それ以外では改善すべき点が山積みのようだ。
■ベスト5ショップ
5位 SCREWFIX(スクリューフィックス)
店舗数400、従業員数7000人という英国最大の工具専門チェーン店。幅広い品揃えと良心的な価格、そして昨年ベスト・コールセンター賞を受賞した丁寧なアフターケアがウリ。つながりにくいコールセンターが多い英国では「10秒以内に応答します」というフレーズが強みになる。
4位 RICHER SOUNDS(リッチャーサウンズ)
英国内で53店舗を展開するデジタル家電と音楽機器の専門店。こじんまりとした店舗が多くスタッフ数も少ないが、各スタッフの専門知識の高さには定評がある。また「どこの店よりも安く」という最低価格保証制度も人気の秘密だろう。
3位 INDEPENDENT DIYSTORES(個人経営の工具専門店)
日曜大工が大好きな英国人には工具専門店が欠かせない。5位のSCREWFIXのような大手のチェーン店を抑え、「個人経営の工具専門店」が上位に選ばれた事実は非常に興味深い。地元産業を支えようという消費者側の気づかいと、個人経営のならではの密接型接客スタイルが支持を得たものと思われる。
2位 JOHN LEWIS(ジョンルイス)
英国老舗高級デパート。ハロッズやハーベー・ニコルスよりは庶民的な位置づけだが、良質の品物を良心的な価格で提供しており、英国のミドルクラスに大人気。また、昔から質の高いサービスにも力を入れてきた数少ない英企業でもある。その甲斐あって、今回のようなベストランキングには常に上位入りする常連企業だ。
1位 LUSH
世界650店舗を持つ英自然派化粧品メーカー。JOHN LEWIS同様、ほかにも「働きたい企業ランキングNo.1」や、環境に貢献した企業がノミネートされる「オブザーバー・エシカル・アワード・ベストビジネス賞」など、ここ数年間で数々の賞を総なめにしており、人にも環境にも優しい企業としてのイメージがすっかり定着している。
5位以下のランキングは、アップル6位、ザ・ボディショップ22位、ZARA30位、ディズニーストア45位、IKEA 47位という結果に。