配偶者の特例

【知って得する! 不動産を活かした生前の相続対策②】

財産を所有するのは夫だけで、妻は専業主婦として夫や子どもを支えてきたというご家庭は多いと思います。そうした妻の貢献があればこそ、夫は仕事に専念でき、財産を形成できたというものです。相続になると配偶者の権利というものが保護されており、妻にも財産の半分の権利が認められています。

こうした配偶者の権利は生前の贈与でも認められ、課税が少なくなっています。それが「配偶者の特例」です。登記費用や取得税はかかりますが、手続きをすれば確実に節税できる方法で、最も手軽な節税法とも言えるでしょう。

今回ご紹介する岩田さんの例では、配偶者の特例をはじめとしたさまざまな特例を適用し、結果として1980万円の節税に成功しました。


2億の財産の相続税は4000万近い額に

岩田さん(50代男性会社員)には両親から受け継いだ自宅や土地など計2億4380万円の財産があります。数年前に亡くなった岩田さんの父親は農家の分家で、多額の財産を残していましたが、節税対策には消極的でほとんど何もしてきませんでした。岩田さんは、長男の嫁として両親と同居し、献身的に介護をしてくれた妻に負担をかけたくないと、当社へ相談に来られました。

岩田さんの場合、家族構成は50代の妻、20代の長男、次男。もしこのまま岩田さんが亡くなり、3人が2億円超の財産を相続すると、3人にかかる相続税は合計3795万円と、4000万円近くにもなってしまいます。これはやはり節税対策をしておきたい財産額です。

岩田さんの場合、現金・預貯金が多い(9000万円)ので、不動産(賃貸物件など)を購入し、妻や子に生前贈与する節税対策も考えられます。しかし、岩田さんは経験のない賃貸事業を始める決断はできないようです。