株式新聞

(写真=PIXTA)

5日のマーケットで日経平均株価は一時240円高の1万9167円まで上伸。前日は予想外の値動きの良さに郵政グループ3社に人気が集中し、安値引けとなったが、この日も郵政3社が東証1部売買代金の上位3位を独占しつつも、徐々に全体に資金が還流し始めた印象。

日経平均は75日移動平均線(5日1万9037円)を突破し、200日線(同1万9238円)が目前に迫ってきた。決算発表で総じて順調な推移が確認される中、良好な需給関係は継続しており、一段高への期待が高まるところだ。

東証が4日に発表した10月30日申し込み現在の信用残(2市場)は、「買い残」が前週比182億円増の3兆1002億円で2週ぶりに増加。一方の「売り残」は同17億円増の6385億円で4週連続増加。株数ベースの信用倍率は同0.08ポイント低下の5.22倍となり、取組は4週ぶりに悪化した。

この週(10月26〜30日)は現地28日にFOMC(米連邦公開市場委員会)声明文、30日には日銀金融政策決定会合を控え序盤はもみ合い。ただ、日銀の当面の金融政策が現状維持となったことで逆にアク抜けとなり、買い戻しを交えて30日に日経平均は147円高。結局、前週末比257円高で終えた。

目に付いたのは「買い残」において、増加組の勢いが前週から増した一方で、減少組に高水準の勢いが続いたこと。「売り残」は減少組の勢いが増し、増加組は勢いが衰えた。30日に現状維持にもかかわらず株価が上昇に転じたことで売り方の買い戻しが進んだ一方、買い方は利益を確定しつつ新規に買いを入れた印象だ。取組は若干、悪化したが、依然として良好な状態を保っている。

下記の表は「買い残」減少ランキング100位以内の好取組銘柄。宇部興産 <4208> 、ガンホー・オンライン・エンターテイメント <3765> 、ガリバーインターナショナル <7599> 、富士電機 <6504> 、大同特殊鋼 <5471> 、東京エレクトロン <8035> 、セイコーホールディングス <8050> 、日本合成化学工業 <4201> 、花王 <4452> 、NTTドコモ <9437> 、アルプス電気 <6770> 、オリエンタルランド <4661> に「売り残」の増加が伴っている点は押さえておきたい。

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「買い残」増加組ではオークマ <6103)の信用倍率が前週の2.85倍から2.11倍に、ANAホールディングス <9202> が2.72倍から2.44倍に、MrMax <8203> が8.05倍から2.65倍に、沖電線 <5815> が25.6倍から2.70倍に、塩野義製薬 <4507> が6.06倍から3.40倍にそれぞれ低下している。(11月06日株式新聞掲載記事)

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