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ブックオフと提携に見るヤフーのEC強化戦略

ヤフー株式会社とブックオフコーポレーション株式会社は、4月24日付けで資本・業務提携を発表しました。「BOOKOFF」は、全国に約1000店舗を展開していますが、ミスマッチや商品売れ残りなど中古品の販売網に限界があったため、「ヤフオク!」を通じて、販路を拡大することを考えています。一方、ヤフー株式会社は、インターネットに出品するユーザーが出品や発送作業に手間がかかっていることを課題として捉えており、「BOOKOFF」のインフラ(リアル拠点)を活用して、ユーザーの出品に関する手間を解決し、利便性を図りながら、さらなるリユース市場の拡充を目指しています。さらに、2015年度日本最大級の「リユースセンター」を竣工し、「ヤフオク!」や「BOOKOFF」商品の一部を、当センターへ集約し商品の物流・出荷代行をBtoB市場向けに行う方針を打ち出しています。

同プレスリリースによると、日本のリユース市場1兆8000億円の中で、「ヤフオク!」の市場占有率は37%、それに対してリアルリユース市場は55%と、やはりリアルリユース市場が圧倒的なシェアを占めており、「BOOKOFF」ブランドで整備されたリアル店舗の活用により、リアルリユース市場への参入という、ヤフーにとって、新たな市場への参画としても位置づけられます。

ヤフーは去年10月、ECサイト事業「ヤフーショッピング」について、出店無料化を発表。ECサイトへさらなるユーザー取り込みを試みています。今回の、「ヤフオク!」の提携についても、国内ネットオークション事業で9割のシェアを握る現状ですが、「BOOKOFF」インフラを活用することで、リアルリユース市場のユーザーを取り込むことを視野に入れています。さらに、リユースセンターによる、システマティックな物流と品質確保によって、BtoB事業への参入も打ち出しており、大規模なショッピングモールの店頭で、自分が売りに出した中古品を見つける日も近いかもしれません。

一方、ヤフーの今回の動きは、ヤフー自身がネットの世界だけでなくリアルの世界も含めて、リユース市場も含めたEC市場を席巻する体制に向けて外堀を固めてきているように見えます。今までリーチ出来ていなかったリアル店舗のユーザーにも強力なアプローチが出来るようになった今回の提携で、ある程度盤石な体制が整ってきたと言っても過言ではありません。