EC事業強化に次ぐ、今後のヤフーの戦略とは

ではこの先のヤフーの戦略は、どのような方向へ進むのでしょうか?ZUU online編集部では、ヤフーファイナンスなど金融分野の強化に注目しています。2012年末の以下のニュースを覚えている方もいるのではないでしょうか。

ヤフーが金融参入 FX事業、サイバー社から買収|日本経済新聞 電子版 2012/12/12 14:01

ポータル(玄関)サイト最大手のヤフーが金融事業に本格参入する。12日、インターネット広告大手のサイバーエージェントから、外国為替証拠金取引(FX)事業を210億円で買収すると発表した。ネット業界の競争が激しくなるなか、従来の情報提供サービスから、金融など新規分野への多角化を加速する。

直近でも、今月1日に、インターネット専業のジャパンネット銀行の出資比率を引き上げると発表し、三井住友銀行と並ぶ筆頭株主となりました。また、同じく今月15日には「Yahoo!不動産」とマンションノートとの提携も発表されました。日本のインターネット大手でライバルと考えられる楽天が、金融分野が収益の稼ぎ頭なのに対して、ヤフーにとっての金融分野の収益は楽天のそれに比べて著しく低いのが現状です。

ヤフーのEC事業については、Yahoo!ショッピングの出店料無料化などで攻勢で楽天を追い上げている状況ですが、楽天の得意分野である金融分野でも同じようにここから更に仕掛けていくことは妥当な戦略と考えられます。特にヤフーは、月間6億PVを誇るヤフーファイナンスを保有し、多くの金融系ユーザー(特に株式や為替系の情報とユーザーが主)に既にリーチがあります。この内、既にYJFXとして、FX分野には参入を果たしています。そのように考えると、次はヤフーファイナンスで圧倒的なユーザーを誇る証券分野への参入は、妥当な判断と考えられるでしょう。

そのように考えると、ソフトバンク系のSBI証券(8473)や、独立系のマネックス証券(8698)や松井証券(8628)などのような大手ネット証券会社への資本参加や、もしくは中規模の対面証券会社を買収しインターネット証券分野へ参入を行うといったことも考えられるかもしれません。

今後のヤフーの戦略を見る中で、これまでの楽天の金融分野の戦略を見ることは非常に参考になるでしょう。