タクシー乗り場
(写真=Thinkstock/Getty Images)


背景に外国人観光客の急増

安倍晋三首相は10月20日の国家戦略特区諮問会議で「過疎地などで観光客の交通手段として、自家用自動車の活用を拡大する」と述べ、一般の人が自家用車で有償送迎するライドシェア(相乗り)、いわゆる「白タク」を可能にする規制緩和を検討するよう指示した。

この背景には、最近の訪日外国人観光客の増加がある。日本政府観光局(JNTO)の9月推計値では、2015年1~9月の累計値で1448万人を達成し、過去最高値となった2014年の1341万人をすでに超えており、外国人による日本への観光ブームは加熱する一方だ。


石井国土交通相は解禁に難色を示す

ちなみに、2015年9月だけで見ても前年同月比としては、中国が99.6%の伸びを見せほぼ倍増したほか、香港も64.9%増、カナダは21.8%増、イタリアが19.5%増と、その勢いはアジアのみにとどまらない。また、近年はリピーターも多く、京都や富士山などの観光名所の定番をひと巡りした外国人は、よりディープなスポットを求めて地方の過疎地を好んで訪れる傾向にあるという。

そうしたなかで、安倍首相は増え続ける外国人観光客に対して、過疎地での交通利便性を少しでも上げるために「白タク解禁」を提案したわけであるが、石井啓一国土交通相は「広く(全国で)やることについては、安全性の確認や利用者の保護の課題もある。一般的に業としてやるのはかなり慎重に考えざるを得ない」と難色を示している。


「白タク解禁?」にネット上でも賛否両論

安倍首相が提唱する「白タク解禁」対し、ネット上でも様々な意見がでている。
まずは賛成派の意見を紹介しよう。

「余っている自家用車があるのなら、それを使うという考え方は合理的だ」
「過疎地は都会と違ってタクシーの数が少ないし、自動車は生活必需品だから、やるべき」
「タクシーを使えというのは、移動の選択肢が多い都会の人の意見だ」
「ライドシェアリングのUber(ウーバー)のように、運転手の評判をネットでシェアできるようなシステムを構築すれば規制緩和につながるのではないか」

一方、反対派の意見はこうだ。

「事故が起きたときに、責任は誰が取るのかが不明瞭だ」
「見ず知らずの外国人を自分のクルマに乗せるのは怖い」
「海外ではレイプ事件も起きている」
「地元のタクシー会社が潰れてしまうのではないか」
「ボッタクリが出てきて、日本のイメージが悪くなる」
「運転手が高齢で認知症の可能性もある」

記者が見る限り、圧倒的に反対派の意見が多かったが、やはりプロではない一般人に運転を任せることの不安が大きいように感じた。それでは、プロと一般ドライバーとの違いはどんなところにあるのだろうか。タクシードライバーとは、誰でも気軽に務まるような簡単な仕事なのだろうか?