地理試験に一発で合格するのは難しい
タクシードライバーになるには、まず、二種免許が必要となる。いわゆる緑地に白色の商業用ナンバーをつけるための資格である。
二種免許を取得するためには、普通自動車免許取得時から、3年以上経過していなければならない。18歳で免許を取得したとしても、最短で21歳からということになる。自動車教習所などで取得する費用は約20万円であるが、タクシー会社に入社すれば会社負担となるケースが多い。
また、東京・大阪・神奈川などの指定市区で業務を行う際に必要となるのが地理試験だ。各地区での道路名、建築物、名所、公園などについて問われる試験で、一発で合格するのは難しいとされている。
タクシードライバーは誰でも務まる仕事ではない
ドライバーの収入も個人差がある。タクシー会社の場合は、程度の差はあるが歩合制を敷いているところがほとんどだ。都内では月収30万円程度と言われているが、能力の差があり、10万円台で生活が苦しいという話しもある。タクシードライバーの仕事は、高齢であっても転職先としての受け皿は大きいのでチャレンジする人も多いが、同時に長続きせずに辞めてしまう人も多いのが特徴だ。
労働時間は、朝7時から深夜・朝方までの12時間シフト制で、1日おきに休みとなる変則的な勤務形態であることが多い。車両点検から洗車まで行い、都心部では客とのトラブルによるストレスも大きい。最大のリスクは人身事故を起こしてしまった場合で、免許取り消しとなってしまう。
もちろん、中には長距離の顧客を見つけるコツをつかみ、効率的に稼ぐベテランドライバーも多いが、誰でも簡単に稼げるものではない。経験を積み上げ、スキルを高める努力が必要なのは、どの職業でも同じだ。タクシードライバーは、向き不向きがはっきり分かれる職業であり、誰でも務まるというものではない。
「白タク解禁」実現には多くの課題を残す
このようにタクシードライバーは、専門性や経験が必要とされる業務といえる。それだけに白タクを解禁した場合、二種免許を持っていない一般ドライバーが運転手となることで様々な不安がつきまとうのは確かだ。たとえば運転技術の未術な初心者、運転の乱暴なドライバー、社会人としてのビジネスマナーを心得ていない人に「白タク」を許して大丈夫なのか?という疑問が湧いてくる。
ネット上での反応は、ときに極端な面を露呈することもあるが、現実に白タクが許可されることについての具体的な問題が含まれているといえる。
先ごろ盛況のうちに終了した東京モーターショー2015では、各メーカーから自動運転車のコンセプトカーが披露され、ユーザーの熱い注目を集めた。トヨタや日産などの国内大手も、積極的に自動運転車の開発に取り組んでいる。将来的に自動運転車が実用化されると、ドライバーの運転スキルという点で「白タク」構想は可能になるかもしれないが、目下のところは多くの問題を抱えていると言えるだろう。(ZUU online 編集部)
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