(写真=PIXTA)
アベノミクス効果による経済環境の変化に、長らく続く低金利、迫る消費税の再増税…。「住宅市場の買い時はいつか」と考えると悩ましいこの頃である。
住宅金融支援機構が行った調査では実に興味深い結果が出ている。同機構の「平成27年度下期(2015年10月~2016年3月)における住宅市場動向について」の調査報告(2015年9月)によると、住宅事業者、住宅の取得を検討中の一般消費者、ファイナンシャルプランナー(FP)の三者に、郵送やヒアリングによるアンケートを行ったところ、ライフプランニングの専門家であるFPの6割が「今が買い時」と答えている。
事業者、消費者で共通する「買い時」の理由
調査の結果を三者ごとに見てみよう。まず、供給側の住宅事業者は、下期の受注・販売件数などの需要の見込みについて「上期と比べて増加する」という回答が半数近い47.4%に上っている(回答総数=661)。その増加する要因として挙げる主な理由は、回答数が多い順に「住宅ローンの低金利」が49.5%、次いで「消費税率引き上げ前の駆け込み効果」が49.2%、「経済対策によるフラット35Sの金利引き下げの効果」が26.5%となっている(回答総数=313/複数回答)。
一方、消費者も「今期が買い時」と考える層が約半数の49.2%を占めており、「買い時ではない」との回答(10.5%)を大幅に上回っている(回答総数=1100)。「買い時」と考える理由の内訳は、「住宅ローン金利が低いから」が68.8%にも上り、続いて「今後消費税率が引き上げられるから」と答えた人が36.2%となっている(回答総数541/複数回答)。
住宅事業者、消費者ともに「今が買い時」と答えた人の理由の上位は、「低金利」という経済環境と「消費税増税前」である点が共通している。