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(写真=Thinkstock/Getty Images)

環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の対象である21分野の中では、農林水産物や工業製品の関税撤廃などが大きく取り上げられてきたが、アニメ、ドラマ、音楽に代表される知的財産権も最重要分野の1つだ。日本の文化やライフスタイルの魅力を付加価値に変える「クールジャパン」政策に関わりの深い知的財産、著作権問題を中心に取り上げてみたい。


著作権保護期間を作者死後50年から70年に

TPPの大筋合意に伴う変更点としては、著作権の保護期間が挙げられる。日本では、文学や音楽などの著作物の保護期間を作者の死後から50年としてきたが、今回の合意により、少なくとも70年とすることが決定した。

また「クールジャパン」の海外輸出で問題となることが多い模倣品や海賊版などへの対応については、著作権侵害の疑いのある商品がTPP域内で輸出入された場合、権利を侵害された当事者の申し立てがなくても、当事国の政府が差し止めできるようになるなど、取り締まり策が強化された。


二次創作物を著作権侵害の非親告罪化対象外とする議論

日本では著作権侵害があった時、作者など被害を受けた人の告訴がなければ起訴できない原告罪となっているが、TPPの大筋合意では、作者などの告訴がなくても起訴できるようにする非親告罪とすることが規定された。

著作権の非親告罪化に対しては、アニメやマンガなどを原作として二次創作された同人誌を売買するコミックマーケット(コミケ)を直撃する可能性があることから、TPPの知的財産権と協議の透明化を考えるフォーラムやコミックマーケット準備会などから懸念する声が寄せられている。

この問題を所管する文化庁の文化審議会著作権分科会小委員会が11月4日に開催され、同人誌をはじめとする二次創作物については、著作権侵害の非親告罪化の対象から除外する方向でTPPへの対応に関する議論を進めることになった。

文化庁側は「故意による商業的規模の著作物の違法な複製等を非親告罪とする。ただし、市場における原著作物の収益性に大きな影響を与えない場合はこの限りではない」として、著作権侵害のうち「複製等」について、権利者の告訴を不要とする非親告罪化とする方針を打ち出している。