お金と手(男女)
(写真=PIXTA)

【知って得する! 不動産を活かした生前の相続対策④】
「相続といえば両親が亡くなるずっと先のことだろう」。30、40代の若い世代の方はそう思われているケースも多いかもしれません。しかし意外なことで急に大きな財産を継ぐことになった人から相続の相談を受けたことがあります。


夫が仕事中に不調を訴え急逝…富田さんのケース

富田さん(専業主婦、女性、40代)は、夫が仕事中に体の不調を訴え、そのまま病院で亡くなってしまいました。夫はまだ40代で、まさかこのように突然亡くなるとは予想もしていませんでした。2人の子どもは小さい上に、専業主婦の自分が今後どうすればいいのか、とても不安になり、相談に来られました。それから先の老後のことまで考えるとどうしていいかわからないというのが正直な気持ちだということです。

富田さんのご親族は遠方におり、経済面でも精神面でも頼ることはできない状況です。富田さんは夫が残してくれた財産で今後の生活の基盤をつくり、生活費を確保していく必要がありました。幸いなことに現在住んでいるマンションは、夫が住宅ローンを組んで購入していましたので団体信用生命保険が下りました。それで住宅ローンは全て返済できたのです。

住まいには困らない状態となりましたが、収入を得るためには富田さんが働く必要がありますが、小さい子どもがいるので、仕事を見つけることは簡単ではなさそうです。かといって預貯金を切り崩していくと、いずれ底をついてしまうのではという不安があり、また、自分の相続のことも考えると対策をしておきたいという気持ちもあります。


対策①収入を確保するため、賃貸不動産を購入

夫の相続財産として退職金、生命保険が入りましたので、まとまった金額(1億3600万円)となりました。すぐに使う予定はないので現金で収益を生む不動産への組み換えをする提案をしました。毎月の家賃が入ることで安定収入となり、仕事ができるようになるまでの間の不安を解消することができます。富田さんはすぐに決断され、購入する収益不動産は立地の良いものを選び、長期的に運用できることを主に選んで購入しました。