自動車ディーラーから残価設定ローンを勧められることも多い。 「新車に半額で乗れる」が残価設定の謳い文句だが、残価設定にはリスクも多い。 また、残価期間終了後に思わぬ負担が生じるリスクもある。 一見すると少ない負担で新車に乗ることができる残価設定ローンだが、デメリットもよく理解した上で利用したい。 残価設定ローンの注意点について解説する。
距離を制限し、車を傷つけずにいられるか
車の残価設定ローンとは、ローンを組んで購入する車のローン満了時の下取り価格(残価)を、あらかじめ取り決め車両価格から下取り価格を差し引いた分だけを借りるローンだ。200万円の車のローン終了時の残価を70万と設定すれば、ローンで支払う車両本体価格は130万円となる。残価を車両本体価格から差し引いた金額でローンを組むため月々の支払い額は抑えられる。
月々の支払いを抑えることでワンランク上の車に手が届くことがセールスポイントだが、ローン満了時には精算が待っているので注意が必要になる。トータルで考えると、思ったほど安くはならない可能性がある。
残価設定ローンの契約が満了した車の処理は以下の4通りだ。
1.車をディーラーに返却し、新しい車に乗り換える
2.車を返却して契約終了
3.再度ローンを組んで、同じ車に乗り続ける
4.現金を一括払いし、同じ車に乗り続ける
いずれの場合でも、契約時に取り決めた走行距離が超過した場合や修理履歴がある場合は残価に対して追徴金が発生する。 頭金を差し入れる代わりに、契約終了時に頭金相当分を負担する可能性もあるのが残価設定ローンだ。 また残価設定ローンは一般的に3年か5年かのどちらかの支払期間が設定される。
残価設定ローンは、期間満了時に追徴金が発生する可能性がある。追徴金が発生することを恐れて長距離ドライブも控えめにし、事故がないよう慎重な運転を心掛けて、契約終了時にあっさり車を手放す。そのつもりなら、賢い買物になるかもしない。しかし、それでは車を運転する喜びからは遠ざかるのでないだろうか?。
審査緩め、金利は高め
残価設定ローンもオートリースも、次々と新車に乗り換えたい人には使い勝手のいいものだ。またディーラー系列のクレジット会社は、銀行のオートローンに比べると審査基準が緩やかな代わりに金利は高めだ。
借入額は少ない残価設定だが、金利が高いことと、追徴金が発生する可能性を考えれば、総支払額は金利の低い銀行の自動車ローンの方が残価設定ローンより安くなる可能性もある。