先週の主な経済指標

重要な経済指標発表は特にありません。


今後発表される主な経済指標

◆12月1日 中国製造業PMI 11月 市場予想 49.9 前月 49.8

政府発表の11月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が日本時間12月1日の10時に発表される予定です。市場では49.9と10月から小幅に改善すると予想されています。

◆12月1日 財新(Caixin)中国製造業PMI 11月 市場予想 48.3 前月 48.3

12月1日の10時45分に発表予定の11月の財新中国製造業PMI速報値は、48.3と10月から横ばいが予想されています。

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マーケットビュー

◆中国株 IPO再開で軟調なスタートか 人民元のSDR採用やPMIなどに注目

本土市場では上海総合指数が週間で5.3%安と大幅に反落しました。週前半は3,600ポイントを挟んで一進一退の展開が続きましたが、週末27日には上海総合指数が一時3,400ポイント近くまで急落しました。

IPO再開による需給の悪化が意識されたほか、10月の工業企業利益の減少が前月から加速したこともリスク回避ムードを強めました。また、中国証券当局が法令違反の疑いのある証券会社の調査を開始したことで証券株を中心に売りが膨らみ、市場心理が急速に悪化しました。

香港市場ではハンセン指数が週間で3.0%安と反落しました。上海市場の下落やトルコによるロシア機撃墜を受けて地政学リスクが高まるなか、新たな買い手掛かり材料に乏しく、5日続落と週を通して軟調な展開が続きました。

27日には中国の工業企業利益がさえない結果だったことや、中国で中信証券など大手証券会社が法令違反で調査を受けていると報じられたことなどが嫌気され、週末のハンセン指数の下落率は1.9%に達しました。

今週の本土市場と香港市場は共に軟調なスタートとなりそうです。今週(11月30日)から再開予定の中国の新規株式公開(IPO)が従来の資金凍結制度で行われるため、需給悪化懸念が重石となりそうです。

また、大手証券会社への調査を受けて投資家のリスクオフムードが強まっています。こうしたなか上海総合指数やハンセン指数は調整となりそうですが、売り一巡後は押し目買いの好機になるともいえそうです。

国際通貨基金(IMF)による特別引出権(SDR)構成する通貨バスケットに人民元が入るかどうかの結論が本日(11月30日)に発表される予定で注目されるほか、明日(12月1日)発表の中国製造業PMIも注目です。

林宇川(TonyLin)
マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部

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