中国のお祝いの色は赤(紅色)

日本でも周知されているように、中国ではお祝いの色は赤(紅色)である。旧正月のお年玉袋、結婚式の赤い祝儀袋は「紅包」という。結婚式や祝賀パーティーなどの記帳も赤紙にする。不動産の権利証書は、赤表紙に金文字である。結婚証明書では金地に紅色の縁取りが目立つ。同じように“中国人はなぜ紅色を好むか?”で検索してみると、紅色は中国人が偏愛する色である。

紅色は太陽の色である。月は万物を死に帰し、太陽は万物の生に至る(中国古典『淮南子』より)とあるように生命力を表す。紅色は温暖、熱情、喜慶、吉祥を代表し、中国文化の基本色調で民族の風貌を表す。紅色は王朝時代、中高級官員の官服に用いられ、自信、権威、不可侵を表している。などとある。同じように偏愛していても紅色はより現実生活に添い、金色のような尊貴なイメージはないようだ。

中国人の人生に必須の装飾カラー

中国人の理想とは、公正な民主社会の実現ではなく、一族の繁栄と長寿だ。繁栄とは社会的地位の上昇を指し、これは富貴とイコールである。常に自己主張と交渉を繰り返し、より高い地位を目指していく。そのため自らを装飾しより立派に見せることは、交渉手段として必須だ。

その際の舞台装置として、またはアクセントカラーとして、金色と紅色は欠かせない。特に金色は生活に密着した紅色より、高貴な装いをまとう、最も好ましい色ということになろうか。また金色紅色の礼賛は、宗教心を欠く中国人にとって、信仰のように存在しているとも考えられる。

こうした視線で中国の街と商品を見直してみると、確かに金色と紅色に彩られている。看板には赤系または赤文字が多く、商品のパッケージには黄金系が多い。中国のセブンイレブン <セブン&アイ3382> で発売されている50元(約1000円)の福袋はラメ入りの黄金色となっている。

在日中国人のおすすめ金色パッケージ商品8選

在日中国人の運営するサイト「日本窗」(日本の窓)でも、金色パッケージの人気商品を8種取り上げている。

8)興和 三次元高密着マスク 7)大正製薬 <4581> パブロンゴールド 6)コーセー <4922> シートマスク 5)アツギ <3529> 光発熱タイツ 4)象印 <7965> ステンレスボトルSM-SA48 3)龍角散 龍角散ダイレクト 2)参天製薬 <4536> サンテFX Vプラス 1)資生堂 <4911> アネッサUVローション の順である。

この中でパブロンゴールドについて、「この外装は我々に深い印象を与える」との記述がある。金色のパッケージで上部に赤いラインのおなじみのデザインは、実は中国人に最高のアピールとなっていたのだ。すでに10年も前からの人気商品だが、ブレイクのきっかけはパッケージだった可能性もある。

何しろ古代から偏愛してきた色である。その好みは100年~200年くらいでは変わりそうにない。とすれば、金色パッケージは中国人向け販促の有効なツールとして、いつまでも使えそうである。(ZUU online 編集部)