携帯電話の利用状況でユーザーの「信用度」を評価する画期的アプリを採用し、20ドルまでの小口融資を行う「ブランチ(Branch)」が、世界初の非営利オンラインローン団体、Kivaの元CEOであるマット・フラネリー氏によって立ち上げられた。


クレジットスコアの低さが就職にも影響する欧米

欧米では日常生活の様々な面で、「信用度」を評価するために利用されているクレジットスコア。カードやローンの返済状況などから、個人の経済状態や浪費動向を評価する指針となっており、新規ローンの申請は勿論、リース契約や賃貸契約、果ては就職の面接試験にまで影響する場合もある。

クレジットスコア専門の会社が全てのデータを管理していて便利な反面、誰でもアクセス可能という点で「プライバシーが厳守されていない」などの問題もある。しかし最大の難点はクレジットカードやローンの利用者でない限りスコアが上がらず、それが原因でローンの申請が却下されるケースが多発している。

新興国にポジティブなかたちで貢献する方法を模索していたフラネリー氏は、こうした欧米の「不公平さ」にヒントを得て、信用履歴のみに重点を置く従来の融資審査ではなく、現時点での「個人」を公平な視点から評価することで消費者に平等なチャンスを提供し、貸す側にも借りる側にも負担の少ない低金利小口ローン、ブランチを立ち上げた。


個人情報を携帯から読み取り潜在的なリスクを評価

ブランチが採用しているアプリはユーザの携帯電話から通話記録やSMS記録、アドレス帳などを読み取り、ユーザーの浪費度、他社での借入れ、預金、ビジネスを含む交流関係まで細かに分析。モバイル・データ・サービス会社、In Ventureが提供する1万の離散データ点を用いた「ローン利用者の動向分析データ」に基づいて、信用度をチェックする。

例えば通話料の安くなる時間帯の利用者は「金銭感覚が身についていて信用度が高い」と評価されるなど、日常的な消費傾向から推測可能な範囲をカバーしている一方で、「近年は一般消費者よりもギャンブラーの方が、借金を返済する傾向が高い」といった既存のクレジットスコアの常識を打ち破る興味深い分析データも採用している。

現在はケニアのAndroidユーザーのみを対象としているが、「従来の銀行やローン会社よりも低金利で公平な審査が受けれて無理なく返済できる」と利用者が急増中だ。 (ZUU online 編集部)

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