経済協力開発機構が昨年12月に発表した先進国34カ国の歳入データ(2014年度)に基づき、各国の国内総生産(GDP)率としての税歳入を順位付けしたところ、日本は26位、韓国は32位などとなった。税金の高さでは欧州諸国が圧倒的で、トップ10のうち8カ国はEU加盟国だった。

「福祉国家」デンマーク、「自己負担国家」日米

欧州では福祉制度や教育制度が充実した国が多く、その負担分が税金として徴収されるパターンが多い。「世界1の税金国家」の異名をとる1位のデンマークは、税収がGDPの5割を上回るというから驚きだ。さらに、収入の半分以上を税金として納めることに対して、不満を抱いている国民が少ないという事実である。しかしデンマークが質の高い生活が徹底的に保障された「世界1の福祉国家」でもあるという事実を考慮すれば、決して不思議ではないのだろう。

意外にもランキング下位という結果の日本と米国。超累進税率を採用している日本は全体的な税率こそ低めだが、年金、医療費、教育費などの自己負担が大きく、経済面だけではなく精神面でも長期的なプレッシャーになりがちだ。

日本のさらに上を行く米国では、そもそも年金制度や社会保険制度が存在しないため、月々の保険加入料や年金の積み立てがバカにならないという。「医療費を支払う能力のない者は患者としての扱いを拒否される」といった話も定説となっている残酷なまでにシビアな国なのだ。

また米国は連邦税と州税を含む地方税の両方を徴収する税制をとっており、所得や消費税などは州よって異なるのも大きな特徴である。

このように両極端なデンマークと日米の税金システムを比較してみると、各国の特徴は勿論、国民性までが顕著に表れているようで非常に興味深い。

高税先進国ランキング 最も税率が低いのはメキシコ

34位 メキシコ 19.5%
33位 チリ 19.8%
32位 韓国 24.6%
31位 米国 26%

30位 スイス 26.7%
29位 オーストラリア 27.5%
28位 トルコ共和国 28.7%
27位 アイルランド 29.9%
26位 日本 30.3%
25位 カナダ 30.8%
24位 スロバキア 共和国 31%
23位 イスラエル 31.1%
22位 ポーランド 31.9%
21位 ニュージーランド 32.4%

20位 英国 32.6%
19位 エストニア 32.9%
18位 スペイン 33.2%
17位 チェコ共和国 33.5%
16位 ポルトガル 34.4%
15位 ギリシャ 35.9%
14位 ドイツ 36.1%
13位 スロベニア 36.6%
12位 オランダ 36.7%
11位 ルクセンブルグ 37.8%

10位 ハンガリー 38.5%
9位 アイスランド 38.7%
8位 ノルウェー 39.1%
7位 スウェーデン 42.7%
6位 オーストリア 43%
5位 イタリア 43.6%
4位 フィンランド 43.9%
3位 ベルギー 44.7%
2位 フランス 45.2%
1位 デンマーク 50.9%

(ZUU online 編集部)