中国発アプリの利用が世界中に広がっている。代表的な動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」以外にもファッションアプリやスマホゲーム、配車サービスなど各国で生活の一部となって浸透してきた。本稿では、近年人気を集めている中国発アプリや、その展望について解説する。

世界で中国発アプリの普及が加速

世界で浸透加速!広がる中国発のアプリたち
(画像=Koshiro/stock.adobe.com)

世界で最も知られている中国発アプリの一つといえば「TikTok」が挙げられるだろう。TikTokとは、15秒~1分程度の短い動画を作成・投稿し、閲覧できるSNSアプリのことである。日本をはじめとする海外では、特に中高生など若い世代を中心に利用が広がった。TikTokは、中国で2012年3月に設立されたIT企業のバイトダンス(ByteDance:北京字節跳動科技)が運営している。

ベンチャーキャピタルなど研究調査や分析を行っている米国企業「CB Insights」が公表している「世界ユニコーンランキング」によるとバイトダンスの企業価値は、2022年10月時点で約1,400億米ドル(1米ドル140円換算で約19兆6,000億円)のトップだった。企業評価額が1,000億米ドルを突破した非上場企業である「ヘクトコーン」となっている。

また近年では、若い女性に人気のファッションECアプリ「SHEIN(シーイン)」の躍進も著しい。米国では「Z世代」に圧倒的な支持を受け、2021年4~6月にかけて一時期ダウンロード数がAmazonを突破。SHEINは、2008年に中国で創業し2022年時点でシンガポールの統括会社であるロードゲットビジネス社が運営している。

上述した世界ユニコーンランキングにおいてSHEINを運営するロードゲットビジネス社の企業価値は、第3位となる約1,000億米ドル(1米ドル140円換算で約14兆円)だった。これは、日本のユニクロ(ファーストリテイリング)の時価総額をも凌駕する数字だ。そもそもなぜ中国発アプリが海外に広がっているのだろうか。

主な背景には、国内利用者の飽和が近づいていることが挙げられる。国内競争を避け、巨大な海外市場へと展開を拡大する動きが加速したことが影響しているというわけだ。

中国製スマホゲームは日本でも知名度が高い

日本における中国発アプリの状況としては、特にスマホゲームの知名度が高い傾向だ。とはいえなかには、中国発と知らずに利用している人もいるかもしれない。例えば中国のネットイース(NetEase:網易)のオンラインゲーム事業部門「NetEase Games」が開発・運営する「荒野行動」もその一つ。約100人のプレイヤーが無人島で最後の一人になるまで戦闘を続けるスマホ版バトルロワイヤルゲームだ。

荒野行動は、2018年以降、人気漫画の『進撃の巨人』や人気TVアニメ『呪術廻戦』『ONE PIECE』などと毎月のようにコラボを開催し、日本市場に注力しているのも特徴だ。この他にも日本のオンラインゲーム業界で人気を博している中国発のゲームアプリは多い。例えば育成系ゲームアプリ「放置少女」は、中国・北京のC4games(有爱互娱)が開発・運営していた。

2021年4月にC4gamesは、上述したバイトダンスに買収されており、2021年3月から開発・運営がC4 Connectに移管されている。またストラテジー系モバイルゲームの「Mafia City(マフィア・シティ)」は、2012年に創業した中国・上海のYotta Games(友塔游戏)が提供している。

動画作成アプリ「CapCut」のクオリティの高さ

日本人のなかには「中国発アプリのクオリティに不安がある」という人もいるかもしれない。しかし優れたアプリは、かなり多いのが現状だ。例えばTikTokを運営するバイトダンスが提供する無料動画編集アプリの「CapCut(キャップカット)」は、基本的な操作に加えて高度な編集機能まで無料でスマホを使って手軽に利用できることから利用者が増えている。

多くのTikTokの動画がCapCutで作成されており、TikTokの普及にあわせて若い世代を中心にダウンロードが伸びている傾向だ。

ライドシェアアプリ「DiDi」が世界展開

中国発アプリの波は、モビリティ業界にも浸透している。北京小桔科技有限公司が運営する配車サービス「DiDi(滴滴出行)」は、世界16ヵ国(日本を含む)で利用者数が5億5,000万人を突破した。(2022年時点)DiDiは、人工知能(AI)を活用してタクシー配車の最適化を実現したアプリで目的地と乗車地点を入力すると指定された場所に平均5分でタクシーが到着する仕組みだ。

中国本土では、2022年時点でシェア約7割を占めている。利用者数は、中国に集中しているものの海外においても配車大手の米Uber(ウーバー)やマレーシア発のGrab(グラブ)などと並び、一大配車アプリに成長する日も近いかもしれない。

規制の動きがあるなかでも中国発アプリ人気は健在

日本や米国など世界中で急成長を遂げる中国発アプリは、次から次へと目まぐるしく誕生している。それも私たちの暮らしに密接に関わり生活をより豊かにしてくれるものばかりだ。一方で個人情報流出の懸念などが指摘されてきたことで米国をはじめ国際的にも問題となったことは事実である。

インド政府は「国の主権や国家安全保障、公共秩序に損害を与える」ことを理由に多くの中国発アプリの国内利用を禁止。ただ日本でも依然としてTikTokやゲームといったアプリの利用者が拡大しているため、世界での中国発アプリの人気は衰えていないといえる。

今後も世界各国で規制や排除の動きが出てくる可能性も否めないが、中国から世界へと新たなアプリのトレンドが生み出されていくことが期待できるだろう。

ご投資にあたっての留意点
取引や商品ごとに手数料等およびリスクが異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面、上場有価証券等書面、目論見書、等をよくお読みください。
外国証券等について
外国証券等は、日本国内の取引所に上場されている銘柄や日本国内で募集または売出しがあった銘柄等の場合を除き、日本国の金融商品取引法に基づく企業内容等の開示が行われておりません。
手数料等およびリスクについて
国内株式等の手数料等およびリスクについて
国内株式等の売買取引には、約定代金に対して最大1.2650%(税込み)の手数料をいただきます。約定代金の1.2650%(税込み)に相当する額が3,300円(税込み)に満たない場合は3,300円(税込み)、売却約定代金が3,300円未満の場合は別途、当社が定めた方法により算出した金額をお支払いいただきます。国内株式等を募集、売出し等により取得いただく場合には、購入対価のみをお支払いいただきます。国内株式等は、株価の変動により、元本の損失が生じるおそれがあります。
外国株式等の手数料等およびリスクについて
委託取引については、売買金額(現地における約定代金に現地委託手数料と税金等を買いの場合には加え、売りの場合には差し引いた額)に対して最大1.1000%(税込み)の国内取次ぎ手数料をいただきます。外国の金融商品市場等における現地手数料や税金等は、その時々の市場状況、現地情勢等に応じて決定されますので、本書面上その金額等をあらかじめ記載することはできません。
国内店頭取引については、お客さまに提示する売り・買い店頭取引価格は、直近の外国金融商品市場等における取引価格等を基準に合理的かつ適正な方法で基準価格を算出し、基準価格と売り・買い店頭取引価格との差がそれぞれ原則として2.50%となるように設定したものです。 外国株式等は、株価の変動および為替相場の変動等により、元本の損失が生じるおそれがあります。
投資信託の手数料等およびリスクについて
投資信託のお取引にあたっては、申込(一部の投資信託は換金)手数料をいただきます。投資信託の保有期間中に間接的に信託報酬をご負担いただきます。また、換金時に信託財産留保金を直接ご負担いただく場合があります。投資信託は、個別の投資信託ごとに、ご負担いただく手数料等の費用やリスクの内容や性質が異なるため、本書面上その金額等をあらかじめ記載することはできません。
投資信託は、主に国内外の株式や公社債等の値動きのある証券を投資対象とするため、当該金融商品市場における取引価格の変動や為替の変動等により基準価額が変動し、元本の損失が生じるおそれがあります。

この資料は、東洋証券株式会社が信頼できると思われる各種のデータに基づき投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成したもので、投資勧誘を目的としたものではありません。また、この資料に記載された情報の正確性および完全性を保証するものでもありません。また、将来の運用成果等を保証するものでもありません。この資料に記載された意見や予測は、資料作成時点のものであり、予告なしに変更することがありますのでご注意ください。この資料に基づき投資を行った結果、お客さまに何らかの損害が発生した場合でも、東洋証券株式会社は、理由の如何を問わず、一切責任を負いません。株価の変動や、発行会社の経営・財務状況の変化およびそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込むことがありますので、投資に関する最終決定は、お客さまご自身の判断でなされるようお願い致します。この資料の著作権は東洋証券株式会社に帰属しており、電子的または機械的な方法を問わず、いかなる目的であれ、無断で複製または転送等を行わないようにお願い致します。

◇商 号 等:東洋証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第121号 ◇加 入 協 会:日本証券業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会 ◇本 社 所 在 地:〒104-8678 東京都中央区八丁堀4-7-1 TEL 03(5117)1040 https://www.toyo-sec.co.jp/