「メジャーな作品」で正しい英語に耳を慣らそう
リスニングの教材は多々あるが、あまりにもたくさんありすぎて、「どれを使えばいいのかわからない」という人が多いだろう。いったい、どう選べばいいのか? 英語学習の情報ポータルサイト『
English Hacker
』の編集長として数多くの英語教材に触れてきた佐々木真氏に、楽しく継続できる教材の選び方と、その活用法を教えていただいた。
『スパイダーマン』や『アナ雪』は教材に最適
多くの人が、「VOAやCNNなどのネイティブ向けのニュースのような、難しくて堅苦しいものを聴き取らなければならない」という思い込みを持っているようです。けれども、我慢をしたり、つらい思いをしたりする勉強は長続きしません。
リスニングで挫折する要因は大きく分けて2つあります。
1つ目は、教材のレベルが自分に合っていないこと。自分のレベルに合った教材を使っていれば、勉強したぶんだけ自分の成長を実感しやすく、楽しくなります。逆に、いきなりハイレベルな教材を選んでしまうと、なかなか成長を感じられず、つらいだけになってしまうのです。
2つ目は、自分にとって興味や関心のないテーマを題材にした教材を選んでいること。リスニング力を上げるには、少しでもいいので、毎日、リスニングをすることが重要です。そのためには、自分の興味や関心がある教材を使うほうが飽きにくく、続けやすい。「リスニング力を上げるためというよりも、好きだから、毎日、聴いている」という教材だと、なお理想的です。
では、そんな教材をどう見つけるのか。私がお勧めするのは、洋画や洋楽を教材として、繰り返し視聴することです。
洋画というと、ネイティブがハイスピードで話す、レベルの高い教材だと思われるかもしれません。しかし、洋画のセリフは観客に伝わりやすい言葉を選んでいますから、とてもシンプルな言い回しをしていますし、プロの俳優が明瞭に発音しているので、リスニングの教材にとても適しています。語彙も、経済ニュースで使われるような難しいものは出てきません。とくに、上映されるスクリーン数が多いメジャーな作品ほど、その傾向があります。
たとえば、『アベンジャーズ』や『スパイダーマン』などのマーベル作品は、スラングや訛りが少なく、聴き取りやすい英語が使われています。私も、DVDを購入して、毎日のように観ています。『アナと雪の女王』など、最近のディズニー作品も同様。覚えておきたいセリフが出てきたら、ノートやメモ帳に書き留めておくのもいいでしょう。
逆に、教材として向いていない作品は、西部劇のように時代の古いものなど、訛った英語を使っているものです。言葉は時代とともに変わりますから、古すぎると今では使わない英語を学んでしまうかもしれません。
もし、あえて今の若者言葉を学びたいと思うのなら、可愛い顔をしたテディベアが放送禁止スレスレの表現を鋭く突いてくる『テッド』がいいでしょう。スラングが多く登場します。