日本でも人気の高いロエベやルイ・ヴィトンなどのフランスブランド。
ファッション、パフューム、ワインなど様々な分野で、数多くの人気ブランドを所有する巨大コングロマリットLVMHのCEO、ベルナール・アルノー氏はご存じでしょうか。
アルノー氏はLVMHのオーナーでもあり、その資産は約410億ドル(約3兆2000億円)と世界4位。フランスでは一番の富豪といわれ、「フランス・ファッション界の帝王」「ファッションの法王」などの異名を持つ人物です。
そんなフランス経済界を代表するようなアルノー氏ですが、今フランス内での評判が非常に悪く、窮地に立たされているようです。
◯所得税75%の衝撃〜オランド仏大統領の増税政策〜
つい先日、日本でも政府の解散と年内の総選挙が決まりましたが、今年は隣国の韓国をはじめロシアやアメリカでの大統領選挙、中国でも指導層の交代があり、選挙イヤーと呼ばれています。そしてフランスでも4〜5月にかけて大統領選挙が行われ、接戦を制しフランソワ・オランド氏が第五共和制第7代フランス大統領に就任されました。
そのオランド氏が公約に掲げていたのが、財政健全化と所得の再分配、そしてそのための富裕層に対する所得税の増税です。内容は、2年間と時限措置があるものの、年収100万ユーロ(約1億円)超の個人に75%課税される予定です。
それまでのフランスの最高税率は41%だったため、かなりの増税と言えるでしょう。
当然、課税対象となった人達からは反発が強いらしいのですが、オランド大統領は「これは懲罰ではない。自らの才能と努力によって財を成した富裕層を攻撃するものではない。ただ、今は債務や赤字の削減、競争力の強化に向けて全国民の力が必要だ」と述べ、「愛国心の一つの形だ」と説明しています。