主に有名な海外自動車メーカー・ブランド。メルセデス・ベンツやBMWなどは誰もが知っているだろうが、その名前の由来はご存じだろうか？ 創始者の名前がそのままというブランドもあれば、志を表したブランド、あるいは由来が不明のものもある。
BMW−−「バイエルンのモーター工場」ロゴはプロペラ
BMWの名は「バイエルン地方のモーター工場」を意味するドイツ語「Bayerische Motoren Werke」からきている。前身のラップ社は、カール・フリードリッヒ・ラップが1913年にドイツのバイエルンに設立した航空機用エンジンのメーカー。そのラップ社が、同じバイエルンにある機体メーカーのオットー社と組み、1916年にはバイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ有限会社（BMW）と改称した。その会社発祥のエピソードから、BMWのロゴはバイエルンの青い空と白い雲によるプロペラのデザインとなっている。
アルファロメオ−−買収と独立の歴史が社名に反映
アルファロメオ（ALFA ROMEO）の「ALFA」は「ロンバルディア自動車製造会社」を意味するイタリア語「Anonima Lombarda Fabbrica Automobil」の頭文字をとったもの。1910年にイタリアの企業家らが、ミラノにあったフランスのダラック社の自動車組立工場を買い取り、A.L.F.A社を設立。1915年に経営陣が入れ替わったとき、実業家のニコラ・ロメオが主導権を握り、後に社名をニコラ・ロメオ技師株式会社に変更。さらに1930年、事業の失敗から自動車部門と航空機エンジン部門が独立し「S.A. Alfa Romeo」に社名を変更した。
メルセデス・ベンツ——メルセデスは女性の名前
メルセデス・ベンツ（Mercedes-Benz）はドイツの自動車会社ダイムラー社が所有するカーブランド。1899年、ダイムラー車のディーラーだったオーストリア＝ハンガリー帝国領事のエミール・イェリネックの娘の名前から「メルセデス」という名が採られた。これは当時流行していたスペイン風の名前を狙ったものといわれ、スペイン語では「慈悲深い人」という意味になるという。
その後、ダイムラー社とベンツ&シー・ライニッシェ・ガスモトーレン・ファブリーク社が1926年に合併したことで「メルセデス・ベンツ」のブランド名が生まれた。
ジープ——諸説あり確定していないが一般名詞に
ジープは第二次世界大戦中にアメリカ陸軍の要請で開発され、1941年から実戦投入が開始された小型の四輪駆動車が原型となっている。
「Jeep」という名称は「General Purpose（万能）」、あるいは「Government-use（政府用）」の「G」と、ある種の車両を表す識別符号「P」による符号「GP」から命名されたという説のほか、マンガ『ポパイ』に登場する「ユージン・ザ・ジープ」からとったという説がある。戦後には製造会社のウィリス・オーバーランド社によって商標登録され、2015年現在はクライスラー社の保有ブランドとなっている。ただし、「ジープ」はカーブランドというだけでなく、一般のクロスカントリーカーや小型軍用車両の代名詞となっている。
フェラーリ、ランボルギーニ、ポルシェ、アウディ、ロールスロイス——創業者の名前が由来
自動車メーカー、ブランドの名称の多くはシンプルに創始者の名前からとったものだ。たとえば、フェラーリ（Ferrari)社の創業者はアルファロメオのテストドライバーだったエンツォ・フェラーリ。一方、フェルッチオ・ランボルギーニはトラクターのビジネスで財を成していたが、エンツォに対してフェラーリ車についての愚痴を述べたところ「君はトラクターでも転がしていればいい」と言われ、それを悔しく思い、打倒フェラーリをかかげたカーブランド、ランボルギーニを生みだした。
ドイツのスポーツカーブランド、ポルシェ（Porsche）はダイムラー社の技術部長だったフェルディナンド・ポルシェが設立した「ポルシェ設計事務所」に由来する。ちなみにホンダ（本田技研工業）も創業者である本田宗一郎の名前からとったものである。このあたりは説明不要だろう。
“変化球”といえるのがアウディ（AUDI）とロールスロイス（Rolls-Royce）。アウディの創業者はベンツで工場長を務めていたアウグスト・ホルヒ。彼は「ホルヒ」という会社を創業するが経営陣から追放され、「ホルヒ」と同義のラテン語「アウディ」を新しい会社名とする。
一方、ロールスロイスは、ヘンリー・ロイスが作った新しい車をチャールズ・ロールスが販売したことからの命名である。（ZUU online 編集部）
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