世界ではアジア・オセアニア地域では日本、中国が台頭してFinTechの採用に積極的である一方、多くのフィンテック企業を誕生させている米国や欧州では金融サービスの仕組みが目まぐるしく変化している状況だ。
そこで今回は「世界の有名Fintech企業20選」と題し、世界で躍進を遂げ続ける注目企業を挙げてみたいと思う。
◎P2Pレンディング
1.Lending club レンディングクラブ 「世界におけるソーシャルレンディングの大御所」
米国を代表するソーシャルレンディングの最大手がレンディングクラブである。
クレジットカードや個人住宅ローンの借り換えにフォーカスを当て、融資金額累計1兆円越えを果たしている。
特徴は借り手の信用度をFicoなどのデータをもとに算出し、リスクレベルの格付けを行うことだ。これを土台に運用リターンを期待するヘッジファンドへの拡大を見せている。
実際の融資を行うのは提携銀行WebBank=ウェブバンク(ユタ州)。2014年12月にはNY証券取引所へ上場、中国の「アリババ」のパートナーとしても有名である。
2.Prosper プロスパー 「消費者ローン投資の強い味方」
2005年米国・サンフランシスコで創立され、2006年に本格的なP2Pレンディングサービスを開始させたプロスパー。
個人融資最低額は25ドルからで、手数料は借り手1%~2%、貸し手0.5%~1%となる。
2008年に米国証券取引委員会から9か月の業務停止命令を受けたが現在は見事に回復。あらゆる規模の投資家に対応できるプラットフォームを提供している。
株主は有力投資家ブラックロックやセコイヤキャピタルなどで、総合的なP2Pレンディングサービス企業として主に消費者ローンなどの投資に力を入れている。
3.Zopa ゾーパ 「ヨーロッパ最大級のレンディングサービス」
英国で創立されたヨーロッパ最大規模のP2Pレンディングサービス企業であるゾーパ。
インターネットバンク「egg」の出身者が先駆け人となり、2005年に英国でサービスの提供を始まった。
また借り手に「低金利で融資」を提供しながらも、加えて「高利回り」が期待できるというサービスが売りだ。借り手と貸し手からの手数料はそれぞれ0.5%である。
ちなみに日本へは進出は痕跡はあったものの、米国と同じく撤退を余儀なくされたようだ。
4.Funding Circle ファンディングサークル 「ターゲットは欧米の小規模ビジネス」
2010年8月創立。英国を本拠内とするファンディングサークルは主に小規模ビジネスへのサービスに特化したレンディングサービス企業である。
同社の創立の経緯には「リーマンショック」以後の景気低迷が挙げられる。英国では銀行を通して資金の調達が厳しい状況になっている「小規模ビジネス」が多く存在するが、その閉ざされたルートを補うものとして需要が拡大し急成長したのだ。
審査基準は通常銀行が用いるものと同じで、仕組み的にはPtoPレンディングとほぼ変わらない。
5.Receivable Exchange レシーバブルエクスチェンジ 「売掛金に特化したマーケットプレイス」
レシーバブルエクスチェンジは売掛金に特化したマーケットプレイスとして注目を浴びている企業だ。
流動性資産の管理や運用、リスク回避のマネジメント機能が充実しり、DSO(Days Sales Outstanding)を2日未満に抑えることで流動性比率の改善を計ったり、資金の動向を把握しながらROAやROEなどの指標の見直しを実施している。