円高で減収減益
TOPIX500採用の3月決算銘柄で最も早く決算を発表することや、中国関連、スマホ関連ということもあって注目を集めた安川電機ですが、20日に発表された2016年3月期業績とともに公表された2017年3月期予想は減収減益となりました。そして決算を受けて21日の安川電機の株価は大きく売られています。
その2017年3月期の業績予想は、売上高が前年同期比2.7%の減収、営業利益は同23.8%の大幅減益の見通しで、一見すると事業環境が厳しくなることでの業績悪化にもみえます。しかし、心配された中国向けやスマホ向けは回復傾向がみられるとのことで、事業環境の悪化を見込んでの減収減益ではないといえます。
今期の業績の足を引っ張るのは円高です。注目された為替の前提はドル円で110円に設定されました。その結果、前期からは10円余り円高となり、これが売上高と利益を押し下げることになります。仮に為替の影響を除くと売上高は3.4%の増収となります。
また、営業利益は円高の影響(66億円)と過去の買収に絡む特殊要因(30億円)を除くと9億円増と小幅な増益となります。大幅減益ながら本業は堅調という前提での業績予想となっています。
金山敏之(かなやま・としゆき)
マネックス証券
シニア・マーケットアナリスト
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