モルガン・スタンレーのリサーチチームが4月22日に発表したレポート「グローバル・インサイト」の中で、今後ブロックチェーンが主要金融技術として採用される可能性についての見解が明らかにされた。
モルガンは「2025年までにブロックチェーンが金融産業で確固たる地位を確立する」という独自の予想のもと、その過程で3段階の「節目」が訪れると見込んでいる。
モルガン「ブロックチェーンはポストトレード処理に最適」
レポートによると、各金融機関は2018年までにブロックチェーンの効率性を測る「実証実験段階」を完了し、2020年までにブロックチェーン採用に向けたAPI(アプリケーションプログラミングインターフェース)などの開発が活発化する「共有インフラストラクチャー段階」に突入。その後2021年から2025年にかけて、本格的なブロックチェーンの実用に踏み切る「資産増大段階」に到達するという。
モルガンは「ブロックチェーンが金融機関に大きな利益をもたらす段階に到達するまで、相当の時間を要する」と長期戦になることを強調する一方で、熟成期に得られる「収穫は大きい」としている。
長年続いてきた金融産業の歴史を塗り替える大規模な試みとなるだけに、金融機関側にも資産力を含む様々な「技量」が問われるはずだ。レポートは金融機関が業務をブロックチェーン化するうえで、検討すべき重要事項(必要資金の獲得や採算などのコスト面、アプリケーション開発などの技術面、規制やガバナンス、リスクといった管理面など)についても触れており、これらの課題をクリアしない限り、ブロックチェーンが金融市場で主流となることは困難であることを示唆している。
またブロックチェーン技術を最大限に活用する手段として、「融資、レジット・デフォルト・スワップ、証券といったポストトレード処理に採用するのが最適である」と結論づけた。( FinTech online編集部 )