コラムニスト・作家の能町みね子氏が考案し、2015年の流行語大賞にもエントリーされた「プロ彼女」。芸能人やスポーツ選手に愛される女性として、「非の打ち所がない彼女界のトップ」という意味である。しかし、世界の富豪たちが求める女性像は、いわゆる「プロ彼女」とは違うようだ。

欧米では成功者の証としてもらう、誰もが羨むような美しく若い妻を「トロフィーワイフ」と呼ぶ。年齢がかなり離れている場合、そう揶揄されることも少なくない。大統領選挙関連で話題のドナルド・トランプ氏の妻などもそうだ。

最近はトロフィーワイフと呼ばれるような女性を選ぶ傾向はあまりないようだ。世界的大富豪のパートナーを例に挙げながら、共通点を3つ紹介しよう。

高水準の教育を求める好奇心旺盛さ

常に刺激を受けることで新しい発想をし、ビジネスに活かせる。この点で、高水準の教育を受けた頭のいい女性は、最高のパートナーと言える。

Facebook創業者・CEO、マーク・ザッカーバーグ氏の妻、プリシラ・チャン氏はハーバード大学出身だ。生物学の博士号取得後、小学校の理科教員として勤務し、カリフォルニア大学医学部も卒業している。

Googleの共同設立者2人のパートナーも例に漏れない。セルゲイ・ブリン氏の妻、アン・ウォジツキ氏はイエール大学・生物学博士であり、ラリー・ペイジ氏の妻、ルーシー・サウスワース氏もスタンフォード大学で生物学博士号を取得している。

彼女たちに共通するのはおそらく好奇心の強さだろう。未知のものを取り込んでいくことに前向きなので、夫たちが一緒にいて飽きない存在になれるのだ。

「自分」を持ち、家庭の外にも活躍の場

結婚後も仕事を持っているのも彼女たちの共通点だ。

プリシラ・チャン氏は現在、小児科医として働いている。結婚当時のザッカーバーグ氏は、28歳にして推定資産額が約175億ドル(約1兆4400億円)あった。しかし、彼女は専業主婦として家庭に入る道は選ばなかった。メリンダ・ゲイツ氏も大学理事やワシントン・ポストの取締役などを歴任した。

中には経営者の顔を持つ女性もいる。アン・ウォジツキ氏は結婚前の2006年、遺伝情報を解明するバイオ会社を共同設立した経営者だ。自分も仕事をすることで、ビジネスパーソンとして率直に意見を言えるのだろう。

資産は社会に還元 慈善事業に熱心

大富豪自身だけでなく、妻たちも慈善活動に積極的なのも共通する特徴だ。その代表的な存在といえばメリンダ・ゲイツ氏だろう。夫婦で慈善活動に尽力しており、ビル&メリンダ・ゲイツ財団共同会長を務めている。米国の教育や世界の医療保険分野への支援、アフリカの人々の自立支援など、これまで3兆円以上という莫大な財産を寄付している。

プリシラ・チャン氏は第1子出産後、夫妻の保有するFacebook社の株式を寄付すると発表した。同社株の99%にあたり、その額450億ドル(約5兆5000億円)にも及ぶ。慈善事業推進のためだという。ローレン・パウエル・ジョブス氏も20年以上前から教育慈善活動に熱心だ。

結婚後も家庭以外に自分の活躍の場を持ち、「自分の価値観」を持った女性こそが富豪の妻にふさわしいといえる。対等に向き合い、刺激を与え合える女性をパートナーに選ぶこと、それが成功者には欠かせないメンタリティなのかもしれない。(ZUU online編集部)