米金融サイト「NerdWallet」が今年2月に実施した「クレジットスコア制度に対する意識調査」から、クレジットカードの仕組みや利用状況の評価について十分に理解している消費者が、回答者2000人中1割にも満たないことが判明した。

55%の回答者が「利息がいつから発生するのか」というクレジットカードの基本的な仕組みを理解しておらず、54%が「残高の繰り越しがスコアをさげる」という事実すら把握していない。

カード社会の欧米では、社会的信用に重大な影響を及ぼしかねないクレジットスコア。しかし多くの消費者が必要な基礎知識のないまま高い利率を払い続けている。これが金融リテラシー発展国を自負する米国の現状とは、何とも皮肉なものだ。

「返済延滞はスコアを下げない」と知っているのは1割

日本でも導入が検討されている「クレジット情報」。欧米では「クレジットスコア」という名称で長年幅広く浸透しており、個人の経済状況に関する情報を基に、クレジットカードやローンの申請から、就職などの際に生活態度を評価する指針としても利用されている。

通常「支払い履歴」「利用年数」「クレジットカードの種類」「新規申請」などの記録が評価事項となる。スコアをあげる、あるいは良い状態で維持するには定期的にカードを利用し、初回請求時に一括返済を行うことが必須だ。

しかし過半数の回答者は利息発生時期を確認しておらず、「毎月いくらかでも返済している限りスコアに影響しない」と勘違いしている。

また利用年数や返済総額に大きく影響する「全額返済や解約がスコアを下げる」という事実を認識しているのはわずが22%だ。

最も大きな誤解は92%が「返済延滞がスコアの大敵」と信じこんでいる点だ。延滞金の発生や利率に影響を及ぼすものの、返済期限から30日以内に支払いを行う限りスコア自体には何の影響も及ぼさない。

「データがどこからどのように収集されているか知っている」と回答できたのは9%のみ。米国ではEquifax、Experian、TransUnionの3社がデータと評価を共有している。

将来的にスコア制度が導入される、されないは別として、日本でも「返済さえしていれば大丈夫」とクレジットカードの規約に無頓着な消費者も少なくはないだろう。定期的に利用状況を見直し、賢くお得に利用したいものだ。( FinTech online編集部

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