アジアのFinTech先進国を狙う韓国が、FinTech情報の共有および開発の支援先としてフランスを選んだ。

この提携関係は5月30日、両国間の国際親善関係130周年を記念して開催されたFinTechセミナーで同意に至ったもので、今後韓国の「FinTechセンター」とフランスの「フレンチTechハブ・ソウル」を通して様々な共同プロジェクトの進行を予定している。

今年5月にアジアのFinTechハブとして急成長のシンガポールと提携を結んだ英国など、失速感の強まる欧州FinTechにとって勢いの増すアジアFinTechは魅力的なようだ。

アジア、欧州FinTechの架け橋となり国際化を目指す

昨年最も注目を集めた産業分野がFinTechという韓国。韓国政府のFinTech支援はここ1年で急激に活発化し、その勢いはよりいっそう加速している。

昨年3月にFinTechスタートアップを支援する目的で設立された「FinTechセンター」を始め、日本のFINOLAB(三菱地所、電通グループ立ち上げた共同ワークスペース)によるイベント「World FinTech Day( 第1回韓国FinTechデモ・デー)」に参加するなど、積極的に国際的な視点からのFinTech発展を目指している。

一方欧州FinTechというと英国ばかりに焦点があたり影の薄いフランスだが、2013年からFinTech改革に乗り出し、ニューヨーク、東京といった世界の主要都市で「フレンチTechハブ」を展開している。ソウルには今年3月に進出した。

イム・ジョンヨン大韓民国金融委員会金融委員長は「欧州経済の中心地であるフランスとの提携関係は韓国FinTechにとって有益である」と、国際化の機会を大いに歓迎している様子だ。

手始めにパスワード・プロテクション・システムの共同開発プロジェクトなどが、両国間で予定されている。

今年5月に英国が設立した国際プログラム「FinTech Bridge」のパートナーに選ばれたシンガポールに続き、韓国、フランスが手を結んだことで、今後欧州とアジア間に同様の提携関係が創出されていく機会が増えるかも知れない。( FinTech online編集部

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