ビットコイン,カナダ、豪州、フランス,マレーシア
(写真=PIXTA)

昨年末から400ドル(約4万2920円)の大台に乗ったビットコイン。年初に下がった後、急騰しており6月6日には585.53ドル(約6万2822円)を記録している。

普及は進んでいるようだが、各国の政府や企業、取引所は対応策を模索しながらそれぞれの受け入れ、あるいは締め出しを進めている。

特に大きな動きが見られるカナダやオーストラリアでは急ピッチで普及が加速しているが、マレーシアやフランスでは規制を強化する声があがっている。

スタートアップによる促進と政府機関による抑制

オーストラリアのFinTechスタートアップBlueshyftと、ビットコイン取引所Bitcoin.comが共同で、ビットコインを気軽に店頭で購入できるプラットフォームを開発。オーストラリア最大手の新聞販売業者と提携し、売店1200店舗に設置したiPadからビットコインを販売する。消費者は新聞やガムを買うついでにビットコインも購入できるという手軽さだ。

カナダではビットコインATM会社Decentralが仮想通貨版ギフト券「ビットコインカード」を発売。20ドルから100カナダドル(約1681円から8403円)相当のビットコインカードが、6000件の小売店から購入できる。

対照的にマレーシア国立銀行はマネーロンダリングやサイバーセキュリティーといった犯罪行為防止策として、ビットコインを含む仮想通貨の規制を検討している。今年3月に報じられたバングラデシュ中央銀行の不正送金事件を受け、マレーシア国立銀行はセキュリティー体制を強化中だ。

しかし昨年上半期のデータによると、マレーシアにおける仮想通貨のユーザーは1年間で2倍増。ビットコイン取引総額だけでも、推定200万ドルから300万ドル(約2億1458万円から3億2187万円)に達している。中央銀行が規制に踏み切った場合、こうした仮想通貨の急成長にブレーキをかけることになる。

さらに仮想通貨への嫌悪感をあらわにしているのは、2017年のフランス大統領選にも出馬している女性政治家マリーヌ・ル・ペン氏だ。自身が党首を務める国民戦線のウェブサイトで「ゴールドマン・サックスやJPモルガンというウォール街の銀行が、米国やEUなどに仮想通貨とキャッシュレス社会という発想を売りつけた」と非難。

「国民戦線は国家に利益をもたらす現金をサポートする」とし、フランス国内での仮想通貨の流通を阻む意向を明確にしている。( FinTech online編集部

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