オーストラリア証券投資委員会(ASIC)とシンガポール通貨当局(MAS)が6月16日、両国のスタートアップの成長を促進するFinTech支援協定を結んだ。

新たに生まれた支援関係によって、両国のスタートアップは海を越えた事業展開がより自由に行えるようになる。

今年に入ってFinTech促進の支援は国内から国外へと広がりを見せており、今後世界中でより広範囲をカバーするネットワークが形成されていくと予測されている。

ASIC会長「FinTech革命に国境はない」

急速に国際的な知名度を増したシンガポールのFinTechエコシステム。健全なインフラストラクチャーや将来有望な人材の宝庫といったプラス要素が最大の強みとなっている。MASのモハンティCFOのアピール通り「アジア市場へ進出を狙う他国にとって最適の入り口だ」であることは疑う余地がない。

一方、オーストラリアFinTechもデジタル、モバイル、ブロックチェーン、ビッグデータなどの技術分野で急成長を遂げている。

FinTech注目株の2カ国が手を結ぶことで、両国間は勿論、今後世界のFinTech市場におよぼす影響は計り知れないだろう。

ASICのクレッグ・メッドクラフト会長は「FinTech革命が国境という壁に妨害されるべきではない」とコメント。今後も消費者や投資家に恩恵をもたらす機会の開拓に、積極的に取り組む意向を示している。

両国はスタートアップ支援と同時に、新興市場の動向や規制の影響に関する情報を共有し、共同改革プロジェクトなどにも着手する予定だという。

こうした国際FinTech協定は、革命の成長とともにますます活発化している。今年3月にはASICと英金融行動監視機構(FCA)間が同様の支援協定に同意しているほか、FCAとシンガポール金融管理局(MAS)間でも今年5月に「FinTech Bridge」が設立されている。日本でもこうしたニュースが聞かれる日が待ち遠しい。( FinTech online編集部

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