自分の話をするのが苦手。ならば、相手に話してもらえばいい。そこで重要になるのは「質問」だと語るのは、ラジオDJとして、5,000人を超えるインタビューの経験を持つ西任暁子氏。雑談で、相手が自然と語り出し、そして信頼関係まで築くことのできる質問のコツとは何か?その秘訣をうかがった。
質問が浮かばないのは「嫌われたくない」から!?
普段、何気なくやり取りする雑談の中には、相手が大切にしている価値観や願望が散りばめられています。
実はそれこそが、相手が話したいこと。そのポイントを突いた質問をすれば、「自分を理解してくれている」と感じてもらえるのです。すると、相手は自然と話しだし、心の距離は近づきます。
ビジネスシーンであれば、雑談の中から相手のニーズを探り出す。そして、そこを突いた質問をすることで、「この人は信頼できるかもしれない」と思ってもらえるのです。とはいえ、核心を突いた質問に答えてもらうには、いくつかのステップを経なければなりません。
まずは、「自分のマインドを整える」こと。対話の妨げとなる、心の壁を取り除きます。「雑談で何を質問していいかわからない」という悩みは、まさに壁の典型的な例。質問のネタがないのではなく、実は「こんなことを聞いたら嫌われないか・失礼ではないか」といった不安が、質問を思い浮かばない状態にさせているのです。
このとき、その人の頭にあるのは「自分への評価」。会話をしているはずが、自分にばかり目が向いて、相手を見ることができていません。まずは、その視点を相手に向けましょう。雑談では観察が重要な役割を果たすのです。
というのも、口調や表情、しぐさなど、身体はさまざまな感情のサインを表わします。ため息や、指で机を叩くしぐさは退屈のサイン。血色が良くなったり、身を乗り出したりするのは「乗り気」の印などです。
雑談の中で、相手が「乗り気」になったサインを出したときの話題を覚えておき、再びそのテーマで話をするといったテクニックを覚えておくと、場が温まりやすくなります。
また、相手の持ち物やデスク回りを観察してみましょう。モノが多ければ「片づかなくて困っている?」などと推測できますし、ガラケーを使っていれば「多機能な製品は苦手かもしれない」という仮説から、「機能はシンプルなほうがお好みですか」などの質問も思いつくはずです。