英国の欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票が6月23日行われた結果、離脱支持派が僅差で勝利したことを英テレグラフ紙が早朝速報(現地時刻午前4時53分)で報じた。

投票結果は離脱支持派が51.7%、残留支持派が48.3%。

離脱支持派が勢いを増していた中、投票日直前には「世論が残留にくつがえった」と報じられていたほか、投票中継速報でも残留派の勝利匂わせる報道が多かっただけに、国民にとっても驚きの結果といえるだろう。

国民投票はイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドで実施されたが、離脱を最も強く支持したのはウェールズ(55.5%)。次いでイングランド(54.6%)だ。

北アイルランド(44.3%)とスコットランド(37.8%)は残留を強く支持していた。

しかし「国民投票結果には英国のEU離脱を強制執行する法的権限がない」ことから、最終的な決定権は政府の手にゆだねられているとの見方が強い。

投票日当日には残留の可能性を受け一時的に跳ね上がったポンドは、現在135円台まで急落。1985年以来の最安値となっている。

現時点では国民の反応は様々だ。「歴史的な一夜」を終え、新たな歴史を創りだすことへの興奮と不安感で満ちている。残留支持派は勿論、離脱に投じた国民の中でも「今後どうなるのか」という懸念の声が聞こえ始めている。

キャメロン首相による正式発表が待たれているが、辞任を求める世論の声がすでに高まっている。キャメロン首相の正式発表は現地時間午前8時半に予定されている。(アレン・琴子、英国在住のフリーライター)


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