LINE
(写真=Thinkstock/Getty Images)


【関連記事】7月15日上場! LINEのIPOで利益を得る2つの方法

無料コミュニケーションアプリ「LINE」で知られるLINE株式会社のIPO(新規株式公開)がついに承認された。7月15日、東京証券取引所に上場する予定だ。LINEは日本企業初となる日米同時上場を行う予定である。ニューヨーク証券取引所には7月14日(現地時間)に上場の見込みだ。今回のIPOでは、野村證券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、ゴールドマン・サックス証券、JPモルガン証券が主幹事を務めるとされている。

2015年のIPO実績を振り返ると、日本郵政グループ3社の上場で大型のIPO案件への関心が高まった。同グループ全社とも初値が売り出し価格を上回った。

しかしその後、中国などの新興国経済の冷え込みや米国利上げなどの影響を受けて市場は低迷し、グループの各銘柄も好調とは言いがたい状況となった。LINEのIPOには市場が熱い視線を送っているが、たとえ上場直後に高値がついても、その後どうなるかは分からない。

今回は、これまでの大型IPO案件の上場後の値動きから、LINEの新規株式公開の成否を占ってみたい。

15兆円を上回る郵政3社の時価総額

2005年、小泉純一郎政権下で郵政事業が民営化された。そして2015年、日本郵政 <6178> 、ゆうちょ銀行 <7182> 、かんぽ生命保険 <7181> の3社は同時に上場した。初値はそれぞれ日本郵政が1631円(売り出し価格1400円)、ゆうちょ銀行が1680円(同1450円)、かんぽ生命が2929円(同2220円)といずれも売り出し価格を上回る展開となった。

初値で算出した3社の時価総額は15兆円を上回り、1987年に上場したNTT(約25兆円)に迫る超大型上場となった。

投資家からの反応も郵政3社のIPOでは上々。株価の上昇見込みから人気を集め、引き受け件数の5倍に上る申込みを受けた証券会社もあり、買い注文が先行したという。特に、かんぽ生命保険に関しては、郵政グループの他の2社より株数が少ないこともあり、品薄感からなかなか値が付かず、市場が開けてから1時間ほどしてようやく初値がついた。

ただ、蓋を開けてみれば、3社ともその後高値を更新する展開だったが、その後は大型案件としての注目も落ち着いた様子で、日本郵政の株価は足下では1500円台と2000円台に迫った高値からは値を下げた状態が続いている。

大型IPOの初値実績は売出価格から小幅高

郵政3社以外の過去の大型案件を振り返ってみると、2010年に会社更生法の適用を申請した日本航空(JAL) <9201> は、京セラ出身の稲森和夫名誉会長の下で構造改革を推進し、2012年9月に再上場を果たした。この際、初値は売り出し価格(3790円)を0.5%上回る3810円だった。

また西武ホールディングス(HD) <9024> はJALと同じく再上場の大型IPO案件だった。西部HDの売り出し価格を巡っては、当初は2300円と想定したものの、投資家説明会などのプロセスを経て、最終的には1600円に設定。2014年4月の再上場時は、公開価格を下回る初値がほかの銘柄でもつく厳しい時期だったが、公開価格と同じ初値をつけた経緯もある。

大型IPOとなると、証券会社が抽選申込みを受け付け、高倍率から人気の銘柄で株価の先行きも明るいと錯覚させられそうになる。しかし、過去の大型案件をみれば、公募割れは少ない一方、初値は公開価格の小幅高にとどまる様子だ。つまり、大きく公募価格を上回ることはそれほど期待できないというわけだ。

2015年に新規上場した案件は92件。このうち、初値が公開価格を下回ったのはわずか8社で、比率にすると8.7%だった。つまりIPO銘柄を公募で購入した投資家は、上場初日の初値でその株を売却すると、9割近い確率で利益が得られるということになる。

LINEの初値を占うには?

満を持して上場に向かうとみられるLINEだが、2回にわたり上場を見送った経緯も影響し、投資家の熱はそこまで高くはないようだ。これまで、LINEの上場観測が伝わる度に関連株は軒並み上昇していた。

LINEスタンプを手掛けるネオス <3627> がストップ高となったほか、エムアップ <3661> もストップ高買い気配にまで上昇した。しかし今回は報道翌日の6月1日午前こそ関連銘柄が若干伸びを見せたものの、長く続く動きでは無さそうだ。

LINEによると、同社のサービスを利用する国内登録者数は2015年6月時点で5800万人を超えており、日本国内の約2人に1人がLINEユーザーとなる。その圧倒的なシェアを誇るのが同社の強みだ。さらに通話アプリ以外にも、LINEゲームやスタンプの販売が好調だ。こうした有料サービスでどこまで収益を上げることができるかがカギとなりそうだ。

LINEは国内展開だけでなく海外進出も積極的に進めている。16年3月末時点の世界の月間利用者数は約2億1840万人だ。「WhatsApp Messenger」や、「Facebook 」の「Messenger」などの競合サービスが欧米で勢力を増す一方、LINEが力を入れているのはアジア事業である。特に台湾やタイなどのアジア圏では大きな支持を得ている。

LINEの今後の成長のためには更なる海外市場の開拓が必要だ。今回の上場に伴い約980億円を市場から集めるとみられ、この資金を、新規利用者を獲得するために必要な広告宣伝費等の成長投資に割り当てる意向だ。

日米での新規上場で、世界での知名度を上げ、利用者を伸ばせるか。LINEにとっては大きな挑戦を左右しうる上場となりそうだ。(ZUU online 編集部)

【オススメ記事】
2017年も勝率9割、株価好調の中でもパフォーマンス突出の「IPO投資」(PR)
資産2億円超の億り人が明かす「伸びない投資家」の特徴とは?
株・債券・不動産など 効率よく情報収集できる資産運用の総合イベント、1月末に初開催(PR)
年収で選ぶ「住まい」 気をつけたい5つのポイント
元野村證券「伝説の営業マン」が明かす 「富裕層開拓」3つの極意(PR)