米大統領の座をめぐってドナルド・トランプ氏と激戦中のヒラリー・クリントン氏が、「米国はブロックチェーン開発に力を注ぐべきだ」と、公共政策にテクノロジー改革が含まれるよう働きかける意向を表明した。アンチ・ビットコイン派として知られているクリントン氏だけに、今回の動きは意外とも思えるが、ビットコインを含む仮想通貨に関する記述が見当たらない。
「ブロックチェーンは支持するが、仮想通貨はやっぱり駄目」といったスタンスなのでしょうか。
当選したらスタートアップをバックアップ
クリントン氏は「米国のテクノロジー力を育むプロジェクト」の一環として、政府や公共の場におけるブロックチェーンの活用、サイバーセキュリティーの強化など、詳細にわたる提案を自身のWebサイト上で公開。
技術の活用法から人材の育成、施設建設といった、実用的なアイデアが提案されている。
また晴れて新大統領となった暁には、スタートアップへの規制を緩和し、強力に支援する姿勢も示している。
ブロックチェーンとそれに関連する開発事業を支援することで、自国の発展はもちろん、「テクノロジーを支持する、時代の流れに対応できる政治家」として、大統領選の票をかせぐ狙いもあるはずだ。
しかし選挙活動の支援金として受け付けを一切拒否した仮想通貨に関しては、いまだに拒絶反応が薄まらない様子。
サイバー犯罪撲滅を唱えるクリントン氏にとって、仮想通貨はどれほど普及しようと、つまるところ「犯罪の根源」でしかないのかもしれない。
しかしビットコインを長期的安定資産と叫ぶ声も大きくなっており、今後どこまでクリントン氏が柔軟になるか、注目したいところだ。( FinTech online編集部 )
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