みなさん、七夕には何かお願いごとをしましたか?

かつて、人々は星空を眺め、そこへ神々の戯れを見いだしました。そのなごりが「星座」です。やがて、その神話が占星術を生み、王が政治の大事を決めるときに星へ神託を仰いだり、市井の人々が恋を占ったりと、さまざまに応用されていきました。

その占星術を金融分野へ応用したのが「金融占星術」です。有名な金融王J・P・モルガンも占星術を活用していたと言われ、「億万長者は占星術を信じないが、大富豪は活用する」という言葉を残しています。

金融占星術では「金星」が重視され、「金星の逆行時は相場の天井あるいは底と一致しやすい」と言われています。今回は七夕に合わせて、なぜ金星が重視されるのか、そして、次に金星の逆行がいつ起こるのか、について紹介したいと思います。

金融占星術での各天体の意味

占星術では、太陽系内の天体は地上に大きな影響を与えていると考えます。天体は周期性をもって動いていて、これはある種のサイクル論ともいえるのです。市場価格のサイクル理論を考えると、占星術が金融相場と相性がいいのもうなずけるのではないでしょうか。

各天体には意味があり、相場との関係で見ると次のように意味になります。

  • 太陽=「大衆の予想に沿う動き」
  • 月=一時的な動き
  • 水星=早い動き
  • 金星=儲(もう)け
  • 火星=暴騰か暴落

金融占星術では、それぞれの天体がどの星座にあるときに力を得るか、また、失うか。あるいは、天体間の角度などから相場を予想します。

なぜ「金星」を重視するのか?

そのなかで、金融占星術で特に重視するのが「金星」です。「金」という字が使われて入っているから重視するわけではありません。

金星は英語で、美の女神を表す「Venus」です。面白いことに、金星と地球が会合(太陽に対して一直線に整列すること)するポイントを結んでいくと五芒星が描かれますが、この五芒星の中に、美の比率とされる「黄金比」が多く含まれているのです。

また、黄金比は生命現象と深く関係する「フィボナッチ数列」とも関係しており、これは「相場は生き物」ということを示しているようにも思えます。フィボナッチ数列は相場予想にも使われているので、その分野で耳にしたことのある人もいることでしょう。

占星術をオカルトだと考える人も少なくないと思いますが、もともとオカルトとは、森羅万象の背後にある法則性を見いだそうとした学問であり、そこから枝分かれした分野が現在の「科学」です。昔は、オカルトと科学との間に明確な違いはありませんでした。

金星の逆行時は相場の天井あるいは底と一致しやすい

金融占星術には、株の銘柄ごとに予想する手法もありますが、初心者が扱いやすいのは、天体の逆行から相場全体の動きをとらえる手法です。

太陽と月を除く太陽系内の天体は、通常と逆方向への動きで、いわゆる「見かけ上の逆行」をすることがあります。金融占星術では、そのときに相場の変化が起きると考えられています。

なかでも、金星の逆行時は相場の天井、あるいは、底と一致しやすいといわれます。金星は、占星術では「楽しみ」と関係のある天体とされていて、金融占星術では「儲け」という意味になります。

ただし、誰かが儲けるときは別の誰かが損をするということでもあり、天井、底と一致するほか、そこまでのトレンドが加速するなど、波乱含みの相場展開となると見ることができるのです。

また、その期間に行った金融政策は誤ったものになりやすいため、中央銀行関係者の間では、「金星の逆行中は金融政策を変えるな」とささやかれているという声も。

単なるウワサかもしれませんが、それほどにまで金融関係者は星の動きを意識しているということでしょう。


次に金星の逆行が起きるのは……?

2016年中に金星の逆行はありません。次に金星が逆行するのは、2017年3月4日~4月15日。その次は、2018年10月6日~11月16日の期間です。

株式相場の場合、逆行に入る辺りでは天井と一致しやすく、逆行の終わり辺りで底と一致しやすいと見なされています。ただし、その通りにいくとも限りません。それらを含めてみれば、単に波乱含みであるとだけ考えたほうがいいかもしれません。

なお、ダウ平均でいえば、金星の逆行の始まりと終わりの辺り(10営業日以内)に相場の天井や底が来る確率は75%だそうです。

金融占星術、投資に応用できる?

金融占星術をトレードの参考にする人は少なくありません。「メリマンサイクル」で有名なアナリストのレイモンド・メリマンは、金融占星術の第一人者でもあり、大手外為ブローカーの上田ハーロ―は「FXアストロロジー」と銘打ち、メリマンのレポートを提供しています。また、テクニカル分析の始祖であるウィリアム・ギャンも、占星術を金融分野に応用していました。

とはいえ、金融占星術の判断だけでなく、ファンダメンタル分析やテクニカル分析を優先させるのがよいといわれています。少なくとも金融取引においては、星のメッセージは参考程度にとどめておくのがよさそうです。

イツキヒカル
ライター。オルタナティブな知の探究の一端として、また、人の心の奥深くにあるメカニズムを解き明かす一つのヒントとして、中立的な視点を保ちつつ、長年、占星術や神秘主義に触れてきた。

(提供: DAILY ANDS

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