スタートアップ支援に熱心なBBVA会長

欧州ではビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(BBVA)が、デジタル化で経営転換を図っている真っ最中だ。今後14カ月を目途に、2度目の「デジタル改革」に取り組んでいることが、複数のメディアに報じられている。

以前からフランシスコ・ゴンザレス会長のFinTech熱は世界中に知れわたっており、スタートアップへの支援にも非常に熱心だ。

2014年に米FinTechバンキング企業、Simpleを1億1700万ドル(約119億3166万円)で買収したのを筆頭に、2015年には英デジタルバンク、アトム銀行にも投資。今年2月にはベンチャーキャピタル、Propel Ventures Partnersに250億ドル(約2兆5495億円)を投じている。

ゴンザレス会長は「FacebookやGoogleなどの非銀行系企業やFinTechスタートアップが、従来の銀行を叩きつぶす」とコメントしており、早期段階から自社のデジタル化に向け動きだしていた。

改革の一環として、英バークレイズ銀行のデジタル・チーフを引き抜き、アセット・マネージメント部門や消費者金融部門の改革の権限を与えるなど、かなりの気合の入りよう。
しかしBBVAやDBS銀行も、大手銀行のデジタル改革の定番となったコスト削減を避けては通れないようだ。

DBS銀行は今年の新規雇用件数を昨年の1000件から大幅に減らすこと、昇給についても検討していないことなどを明らかにしている。

またBBVAは2000人の解雇を予定しているそうだが、デジタル改革を通して敏捷な企業体質作りに努めることで、新たな境地開拓を可能にするというポジティブに構えている。

BBVAの株価は昨年4月のピーク時には9.61ドル(約935円)を記録していたが、7月上旬には半分以下の4.64ドル(約473円)まで低下。7月29日現在、5.25ドル(約536円)となっている。( FinTech online編集部

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