国際大手銀行におけるFinTech化がますます加速している。

シンガポールのDBS銀行がIT業務の半分をクラウド化する目的で、Amazonのクラウド・コンピューティング・ウェブサービス「Amazon Web Service (AWS) 」の採用に踏みきったほか、スペインのビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(BBVA)が、デジタル改革を継続中だと複数のメディアに報じられている。

しかしほかの大手銀行同様、両社ともに「コスト削減」と称した人員削減の影が忍びよっている。

DBS銀行 2年以内にIT業務の50%をクラウド化

Amazonが世界11カ国で提供しているAWSは、インフラ系のビジネス・クラウドサービス(IaaS/PaaS/SaaS)だ。仮想サーバー「Amazon Elastic Computer Service(EC2)」は、Amzonのデータセンターの仮想ウェブサーバーを利用して、独自のソフトを実行可能なレンタルサービスとして、AWSの代表的な商品となっている。

かねてからデジタル化に強い関心を示していたDBS銀行は、概念実証を通して、AWSがシンガポール金融管理局(MAS)の定める規制ガイドラインを満たしていることを確認。

7月27日、正式にAWSのハイブリッドなクラウド環境を採用し、顧客の需要に見合ったFinTechサービスに改革していくことを目指している。

まずトレジャリー・マーケット(T&M)部門で、金融商品の価格設定や評価に採用し、2018年までにはIT業務の50%をクラウド化させる計画だ。

これによってBrexitパニックが記憶にいまだ記憶に新しい、取引量の急激、かつ集中的な増加などに、より効率的に対応することが可能になる。

DBS銀行はマイクロソフトのビジネス・クラウドサービス「Office 365」を、シンガポールで初めて採用した銀行でもある。

DBS銀行テクノロジー・アンド・オペレーションズ部門の責任者、デヴィッド・グレッドヒルし氏は、Amazon、Google、Facebookといった国際大手が「革命のパイオニア」として君臨している秘訣を、「継続的に実験性の高い取り組みを行いを、旋風を市場に起こす機動力」と表現しており、クラウド・コンピューティングがそうした取り組みに貢献していると高く評価している。