日経平均株価は26日まで3営業日連続で値下がりし、1万6500円を再び割り込んだ。頑強な動きを続けてきた米NYダウが足踏みする一方、国内要因としても週末の日銀金融政策決定会合後のマーケットの波乱に備え、手控えムードが色濃くなっている。こうした局面ではいったんメーンストリームを離れ、相対的に外部環境の影響を受けにくい支流に資金をシフトするのも一手。東証2部の割安株に注目したい。
2部株指数が堅調に推移している。英国のEU(欧州連合)離脱決定直後の安値(6月24日)に対する上昇率ではTOPIX(東証株価指数)がリードするものの、年初来のパフォーマンスは依然として2部が強く、TOPIXのマイナス14.7%に対し同10.6%と優位に推移。円相場が再び不安定化していることもあり、こうした傾向は一段と強まる可能性がある。
アベノミクス相場における年間上昇率をみると、2013年、15年はTOPIXが2部株指数を上回った。これは日銀の量的・質的金融緩和が影響したとみられる。13年には4月にいわゆる「黒田バズーカ1」が、また、15年は前年終盤に放たれたバズーカ2の効果が継続した。
一方、市場が比較的落ち着いていた14年は2部株のパフォーマンスが勝り、全体相場の上値が重い今年も、これまでのところは同様の展開だ。日銀の追加緩和余地が限定的とされるだけに、「2部株有利」は妥当な読みと言えるだろう。
「東証2部の有力株10選」として、別表の銘柄に注目したい。いずれもPBR(株価純資産倍率)、PERが市場平均より低く、有配、増益見込みという条件もクリアしている。さらに、株式の流動性や浮動株の状況といった要素も踏まえ絞り込んだ。
IJTT、中西製などに的
IJTテクノロジーホールディングス <7315> はいすゞ自動車 <7202> 系の自動車部品メーカー。海外市場中心にトラック需要の拡大が追い風だ。PBRは0.3倍を下回る超割安株。
2部有力株
業務用ちゅう房機器の中西製作所 <5941> は、給食センター向けなどの需要回復への期待に加え、人気スマートフォンゲーム「ポケモンGO」の関連銘柄とみる向きも。同社の顧客である日本マクドナルドホールディングス <2702> がポケモンGOにおいて提携している。
このほか、エンジンバルブの日鍛バルブ <6493> 、値動きの良い不動産株のセントラル総合開発 <3238> 、4%超の高配当利回りの中本パックス <7811> など、いずれも割安な有力銘柄だ。(7月27日株式新聞掲載記事)
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