巨大FinTech市場へ成長するための課題とは
スペインのビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(BBVA)は今年3月に発表した、中南米のFinTech発展に焦点を当てたレポートの中で、「FinTech企業にとって中南米は穴場」と未知の可能性を称賛する一方で、「改革以前に解決すべき問題が山積み」とも指摘している。
ITサービス会社、Zentrifugaの代表取締役、エルキン・ガラヴィト氏は中南米FinTechにとって向上が必要な重要課題として、「情報開示性」「複雑な金融セクターについての知識」「時勢と状況に見合った規制改革」「専門性」などを挙げている。
ガラヴィト氏自身は世界銀行やコロンビア金融監督局(Colombian Financial Superintendency)、在コロンビアスイス大使館などの協力を得て、コロンビアFinTech促進機関「Hackathon Fincluimos Reto Colombia」を結成。コロンビアを含む中南米のFinTechを精力的に盛りあげようとしている。
欧米FinTech企業の中南米進出も目立つ。スペインで2008年に設立された非銀行系モバイルバンキング企業、フィントニック(Fintonic)がその一例だ。
本国で25万人に利用されている大人気アプリを、銀行口座を所有しない中南米の人々の間で浸透させるために、チリにオフィスを開設したほか、メキシコ市場への参入も狙っている。
中南米FinTechを「ソーシャルメディアのようだ」と形容する、豪銀行家兼企業家、ブレット・キング氏は、欧米やアジアとは異なる特殊性を指摘。「勢いがあって、まだまだ成長のチャンスに溢れている」と、中南米FinTech市場が将来的に巨大化する成長潜在能力を確信している。
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