2.ふるさと納税を活用すること
ふるさと納税が始まってまだそれほど時間は経っていないがおおむねこの制度の評判は良い。簡単に言うと以下のような制度だ。
「前年の所得に応じて、決められた地方団体に寄付ができる。しばらくするとその寄付に応じたお礼の品が届く。翌年に確定申告をすることで寄付金の大部分が返還される」
というものだ。
自治体ごとに商品(お礼の品)が異なっているのだが、5000円程度から寄付をすることができる。人によって所得が異なるので、効果を得られる寄付金額の幅は異なるが、もし10万円程度寄付が可能なのであれば、翌年の確定申告によって、10万円分の寄付金のほとんどが還付される。夫婦共働きなのであれば、2人で実行すればその効果も高くなる。お礼の品を生活に充てることで生活費用が浮くため、そのぶん投資に回すことができるのだ。
3.優待生活から種銭をねん出する
実はこの方法が投資資金を最も良く作り出すためのメインの方法だ。
投資資金を作るためには必然的に自分が稼いだお金を貯めてそこから投資資金を捻出するという流れになるが、株主優待を使用すれば投資資金をより増やしていくことが可能だ。
この時少ない金額で購入可能な優待株をたくさん買って生活に役立つ優待をもらうことで生活費を浮かしていくことがポイントとなる。現実問題、生活費は必ず掛かるものであるため、いかに抑えるかが投資資金ねん出のための一つのポイントなのだ。
具体例を挙げると、10万円程度の投資で4000円相当の食事券の関門海 <3382> 、15万円程度の投資で年間6000円相当の優待券がもらえる吉野家 <9861> 、10万円程度の投資で年間6000円相当の優待券がもらえるクリエイトレストランツHD <3387> など数え上げるときりがないくらいお得な優待銘柄は多く存在する。
筆者自身、今年2016年7月の時点で株主優待のみで20万円近く手にしているため、その分の金額を投資に回すことができている。
実際に優待を使用してみるとわかるが、優待でタダ同然でサービスを受けることができるようになると「その優待内容と同程度のサービス」に対しては、自らの財布のひもがきつくなるという効果がある。おそらく簡単にお金が出て行かなくなるはずだ(もちろん良質なサービスにはお金を支払うが)。
優待の良い点は生活費代わりとしてそのまま使用できるという点だ。それこそ優待中心に生活している投資家さんも数多く存在する。そのような投資家の多くは、生活費がそれほどかからないため、働いて得た給料の大部分を投資に回すことができるのだ。まさに「複利効果」で資金が大きくなっていくということだ。
資産を形成するためには
給料分から資金を投資に回しながら上記のような施策を同時に行っていけば30代に入るまでには投資資金としてまとまった金額(人によっては4桁万円)がつくれることだろう。そのころには投資の経験値も多少上がっていることと思われるのでリスクも積極的に取ることができる。
また投資資金を簡単に作り出すのに信用取引を利用することも可能である。現行だと手持ち資金の3倍以上の株を買うことができる。筆者自身、信用取引は否定しないがあくまで自分の資金ではないことを心に留めておこう。失敗した時、立ち直るまでに時間がかかるケースもある。結局、株式投資とは余裕資金で行うものなのだ。ここでお伝えしたことを参考にしていただき、どんどん投資資金を作っていただければ幸いだ。
谷山歩(たにやま あゆみ)
早稲田大学を卒業後、証券会社において証券ディーリング業務を経験。2級ファイナンシャルプランナー。ヤフーファイナンスの「投資の達人」においてコラムニストとしても活動。2015年には年間で「ベストパフォーマー賞」「勝率賞」において同時受賞。ネットマネーや日経マネーと言った経済雑誌での執筆活動も行う。個人ブログ「
インカムライフ.com
」を運営。