日本株銘柄フォーカス,ユナイテッドアローズ
(写真=PIXTA)

通期計画達成に向け課題の多い出だし

ユナイテッドアローズが5日に発表した第1四半期(4-6月期)の決算は、売上高が前年同期比2.7%増収、営業利益が同24.7%減益と増収減益となりました。

売上高は在庫投入量を増やしたことでの販売機会ロス低減によるネット通販の大幅な伸びにより増収を確保したものの、賃借料や人件費、宣伝広告費などのアップによる販管費の増加で大幅減益となっています。

第1四半期の粗利益率は54.5%と前年同期比で0.1ポイントアップしましたが、通期計画の0.9ポイント改善に対しては大きく出遅れています。期初から原価管理に取り組むものの、春夏では対応が間に合わなかったとユナイテッドアローズでは説明していますが、秋冬で原価管理の強化が徹底できるかが通期計画達成に向けてポイントとなりそうです。

第1四半期の既存店売上高(小売り+ネット通販)はネット通販の大幅な伸びにより0.8%増とプラスを確保したものの、通期計画の5.4%増を大きく下回ってのスタートとなりました。

ただ、4-5月の微減から6月が3.1%増、曜日要因で3.9%押し上げ効果があったとはいえ7月が9.0%増と回復傾向にあります。通期計画の達成に向けて販売の回復基調が持続できるかもポイントとなりそうです。

金山敏之(かなやま・としゆき)
マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト

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