温泉は仕事の疲れを癒すために女性にとっての人気のスポット。週末に温泉巡りをしている女性も多いでしょう。

その温泉旅館を応援する投資商品があることをご存知ですか? 7月28日付の日経新聞の一面に、初の温泉REITが立ち上げられるという記事が掲載されていました。詳しく内容を紹介します。

初の温泉REITって?

米投資ファンド、ベインキャピタル傘下の大江戸温泉ホールディングスが、温泉に特化して投資するREITを立ち上げることが発表されました。名称は 「大江戸温泉リート投資法人」 です。そもそもREITとは、多くの投資家から集めた資金でオフィスビルマンションなどの不動産を購入し、そこから発生した賃貸収入や売買益を投資家に分配する金融商品のことです。

アメリカで発祥した金融商品ですが、今回温泉に特化して投資するREITは世界初の取り組みとなり注目を集めています。世界にも温泉はありますが、温泉といったらやはり日本。日本らしい金融商品とも言えるかもしれません。

もともとベインキャピタルは、温泉業界において今後も訪日客の増加が見込まれるという理由から2015年に大江戸ホールディングスを買収しました。そしてREITは8月中に上場の見通し、時価総額は200億円弱になると予想されています。

世界の変わり種REITを見てみよう

今回の温泉REITは世界初の取り組みになりますが、世界にはたくさんの変わり種REITが存在します。中でもREIT発祥の地であるアメリカは変わり種REITの宝庫でもあります。こんなものまで!? というものも多いため一部を紹介します。

刑務所REIT

刑務所に投資するなんて、考えられないと思う方もいるかもしれませんがアメリカでは実際に行われています。通常、国や州が刑務所を運営する場合、1人あたりの受刑者に対し年間220万円がかかると言われています。その部分の経費を減らした形で民間が運営するのが刑務所REITです。

例えば経費を200万円に抑えられた場合、20万円が収益となります。国や州が1人あたりの経費を民間企業に支払います。実は、国や州にとっても経費を安く抑えることができ大助かりな金融商品なのです。犯罪者数が減らないということを逆手にとった金融商品と言えるでしょう。

無線アンテナのREIT

最大手は約22,000の無線アンテナ基地局を持っていると言われています。主なクライアントはやはり携帯会社です。日本でも空を見渡すと、実はそこら中に無線アンテナ・基地局が設置されています。私たちの携帯電話の通話がどこでも可能なのはこの無線アンテナのおかげなのです。

屋外看板用の板と土地のREIT

ハイウェイ沿いに大きな看板が設置させている光景を思い浮かべる方も多いでしょう。看板、土地を広告主に貸し付けている金融商品です。広大な土地が広がっているアメリカならではのREITと言えるでしょう。日本では景観を損ねないための規制もあるため、実現するのは難しいのかもしれません。

世界中には変わり種の面白いREITが数多く存在しますが、実際には本業の経営が思わしくない会社がREIT制度を利用しようと考えることもあるようです。REITを検討する場合、REITの内容だけで判断するのではなく、本業の経営状態も判断材料として検討してみるといいですね。

本当に温泉REITは魅力的なのか?

今回の温泉REITの流れは、安定的に収益を出しそうな9物件をREITに売却することから始まり、売却益を地方の温泉旅館の取得・再生に充てていくとされています。再生、売却というサイクルの繰り返しです。まさにベインキャピタルというファンド的な考え方が強くなっています。ターゲットが訪日客となっている部分が引っかかる方も多いかもしれません。

ゆっくりできる空間が活気的な場になることを残念に思う気持ちと、お気に入りの温泉の再生を喜ぶ気持ちが入り交じり筆者は複雑な気持ちになりました・・・。

PINOCO
不動産会社、化粧品、教育関係の会社を経て、フリーライターに。マヤ暦アドバイザーとしてシンクロポイントなどもお伝えしています。ライフスタイル、不動産など執筆中。姉妹ブランド「AKO」にて、つまみ細工アクセサリーを販売など様々なことに挑戦中。

(提供: DAILY ANDS

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