③「日経平均株価」はどうなのか?
一方、日本株の指標をあらわす「日経平均株価」は(NYダウと同じ「単純平均株価指標」を用いていた 時代もありましたが)「みなし額面方式」と言って、分割後の株価を分割前の1株に当たる金額に直し て計算しています。例えば、株価900円の株を3株に株式分割した場合、分割後の株価は300円になります が、その時は除数を変えず、これ以後、日経平均株価を計算する際、常に分割後の3株に相当する金額を 加算して合計します。具体的には、株価が1%上昇して303円になった時、909円として計算します。要す るに、分割してもしなくても除数が同じ、加算して合計した金額も同じになるため、日経平均株価に影響 する度合いは一緒です。
④グーグル株の株価は高い
ダウ平均株価は1万$~2万$の間で推移しています。ですから、個々の銘柄もさぞかし高い値を付け ている様に誤解するかもしれませんが、実際の所、100$前後の株が多く、最も高い株であっても高々200$前後を付けているだけです。その一方、 グーグル 株は結構高く(2014年4月2日の株式分割後も)500$以上の株価を付けています。
こんな中、 グーグル 株をダウ30銘柄に入れてしまったらどうなるでしょうか。まず間違いなくダウ平均株価のバランスが崩れてしまいます。100$の株が10%上がっても合計 値は10$上がるだけですが、500$の株が10%下がったら合計値は50$下がってしまいます。(株式入れ 替えに応じて除数が大きくなる点を考慮しても)ダウ平均株価に与える影響が大きすぎます。以上の点からNYダウでは グーグル 株を採用できないのが実情です。
指標としての分かりやすさを重視
要するに、NYダウが グーグル 株を採用しない理由は「株価が高すぎるから」です。若しも、今の計算方法 のまま グーグル 株を入れてしまったら数値に対する寄与度が15%以上になってしまいますし、計算方法を変えてしまったら今度は指標としての分かりやすさが失われてしまうため、入れない方法が最も無難なの かもしれません。以前にも類似の事態が発生しており、アップル社が同様の理由により採用が見送られたと言われます。最も、 グーグル 社の株価が高すぎるから起きた事例であって、株価が他社より明らかに高い点、ある意味、NYダウ自体が グーグル 株を「ダウ30銘柄を超える株」である点を認めており、これは グーグル が誇れる実績の1つです。
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