グーグル株がないNYダウ
米国株の指標をあらわす「NYダウ」は世界中で話題になる数字です。実際、人々が景気を判断する際、 最初にNYダウを見る人が多い様な気がします。しかし、NYダウを構成する株には何故かグーグル株が含ま れていません。その理由は何でしょうか?一部では、指標を算出している「ダウ・ジョーンズ・インデ ックス」社がグーグル社を嫌っている等の噂が流れている様ですが、本当の理由は違います。NYダウの特性上、 グーグル 株を入れられない理由があるからです。
①「NYダウ」とは
「NYダウ」とは、米国の主要30企業の平均株価を指数化した指標です。正式名称は「ダウ・ジョーンズ 工業株価平均」と呼びますが、鉄道と公共事業以外の全ての業種を対象としています。NYダウでは「単 純平均株価指標」と言って、対象となる30企業の株価の合計値を除数で割った数値を採用しています。た だし、NYダウを構成する30企業を入れ替えたり、株式分割したりして合計値が変化した場合、数値に連続 性を持たせるため、除数を調整して同一化している様です。例えば、合計値が1000$だったのが、株価が 高い企業に入れ替えたことにより1100$に上がった場合、除数を1.1倍して計算します。株価が低い企業 に入れ替えたり、株式分割したりして合計値が低下する機会の方が多かったため、100年間の間にどんど ん除数が減少しており、最初は30あったと思われる除数が今は1を下回っています。
②どの様な基準で選ばれるのか?
現在、NYダウ30銘柄には世界屈指の国際石油資本「エクソンモービル」を始め、金融業・製造業・小売 業・通信業等の全米を代表する色々な分野の企業が満遍なく入っています。これらの企業がどの様にして 選ばれるかと言えば、ダウ・ジョーンズ・インデックス、シカゴ・マーカンタイル取引所、ウォール・ス トリート・ジャーナルの3者で対象となる企業を決めている様ですが、担当者の話では、特に明確な規定 や基準がない様です。これらの企業は随時入れ替えしており、昨年(2013年)1年間で3社も入れ替わりま した。ですから、長い期間NYダウに入っている企業は少なく、1896年時点から一貫して加わっていた企業 は医療機器・航空機エンジン・ソフトウェア等に幅広く進出している「ゼネラル・エレクトリック」1社 だけになってしまいました。