スマホでの少額株式取引は、いまや珍しいことではなくなりました。その象徴である米ロビンフッドは市場に大きな影響を与える存在になっています。あなたも日本のロビンフッダーを目指して、スマホで株式投資デビューしてみませんか。スマホトレード、スマホアプリ、少額株式取引、ポイント取引などを解説します。

目次

  1. これからスマホトレーダーデビューをするなら
    1. 米ロビンフッドのスマホトレーダー急増、その理由とは
    2. 巣ごもり、給付金で日本のロビンフッダーも増加
  2. スマホトレードのメリット・デメリット
    1. スマホトレードのメリット1:場所を選ばずどこでも株のトレードができる
    2. スマホトレードのメリット2:時間を選ばずいつでも株のトレードができる
    3. スマホトレードのデメリット1:電波、バッテリーがないとトレードができない
    4. スマホトレードのデメリット2:誤操作などのエラーには注意
    5. スマホトレードのデメリット3:端末紛失など個人情報漏洩のリスク
    6. スマホトレードのデメリット4:総合能力ではパソコンには及ばない
    7. スマホトレードのデメリット5:NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)非対応も多い
  3. ネット証券大手5社のスマホアプリ
    1. SBI証券 アプリ名:SBI証券株アプリ
    2. 楽天証券 アプリ名:iSPEED
    3. マネックス証券 アプリ名:マネックストレーダー株式スマートフォン
    4. 松井証券 アプリ名:株touch
    5. auカブコム証券 アプリ名:kabuステーション
  4. スマホ少額取引、ポイント投資がウリの新興証券6社
    1. SBIネオモバイル証券:単元未満株が買えるほか、低コスト、Tポイントも使える
    2. LINE証券:幅広い金融商品の取引が可能
    3. CONNECT(コネクト):ポンタと永久不滅ポイント投資が可能
    4. 日興フロッギー:メディアと証券のコラボ。dポイント投資が可能
    5. One Tap BUY:米国株の少額取引が可能
    6. STREAM(ストリーム) SNSと証券のコラボ
  5. 日本のロビンフッダーとして新しい相場の担い手に

これからスマホトレーダーデビューをするなら

いまや株式投資もスマホで行う時代です。これまではパソコンで取引するのが基本で、スマホはあくまでも外出時などのサブ扱いでした。しかしスマホの機能やアプリの操作性が向上し、スマホだけでも十分にトレードが可能になっています。大手ネット証券では、スマホ取引は珍しいことではありませんが、少額取引ができる新興証券も増えてきました。

スマホトレーダーのいいところは、忙しい会社員でもスキマ時間で簡単にトレードができることです。通勤途中の電車内やランチ時間などを使って、株価チェック、株式の注文、約定の確認、情報収集ができます。期限指定注文、ロスカットに適した逆指値注文、買い約定ができたらすぐに売り注文を出すセット注文など、さまざまな注文方法を駆使することで、スキマ時間でも十分に効率的な投資ができるはずです。

海外では「ミレニアル世代」が、投資家としてのプレゼンスを高め始めています。1980~1990年代生まれのミレニアル世代は、子どものころからインターネットやパソコンに慣れ親しんできた「デジタル・ネイティブ」です。パソコンを使いこなすのはもちろん、ECショッピング、電子決済にもまったく抵抗がありません。株式投資をゲーム感覚でこなすような投資家層が活躍し始めたのです。

そんななか、新興のスマホ証券「ロビンフッド」という株式無料取引アプリを利用したトレーダーが急増しました。証券名から「ロビンフッダー」と呼ばれる彼らは、約4,000万人も存在するといわれています。ロビンフッダー1人あたりの投資額は少額でも、人数の多さから市場に大きな影響を与えるようになってきたのです。世界レベルで経済状況が不安定な昨今、株価の急速な戻りの一端を担ったのが「ロビンフッダー」でもありました。世界中の先端ガジェットに理解と親近感があるため、外国株投資にもまったく抵抗がありません。国外のロビンフッダーが、日本のハイテク企業などの株を大量に保有していることが明らかになっています。

米ロビンフッドのスマホトレーダー急増、その理由とは

ロビンフッダーについてもう少しお伝えしましょう。2020年2月以降、欧米を中心にリモートワークが行われるようになりました。在宅比率が高まったことで、自宅でトレードする人も増えたのです。アメリカでは、週600ドルの失業保険の割増給付金が株式投資の資金的なサポートにもなったようです。世界のさまざまな企業が業績を悪化させ株価が急落したことも、個人投資家の投資意欲を高める要因にもなりました。長期の買いチャンスとみた投資家の資金が、大量にインターネット経由で株式市場になだれ込んだのです。そこで使われた代表的なスマホアプリが「ロビンフッド」でした。

ロビンフッダーを生んだ「ロビンフッド」は、2013年創業のベンチャー企業です。創業後にローンチした、社名を冠したアプリは口座開設も簡単で、株式手数料は無料、売買単位に満たない少額の投資も共同購入という形で可能にしました。

たとえば1株でも30万円を超えるような値段の高い株を、0.1株ずつで10人集めて1人3万円で買えるようにしたのです。配当も持株に応じてもらえます。また、日本株や中国株といった世界の株も買えます。それらが若者を中心に受け入れられ、利用者数は4,000万人弱に達しました。アプリ「ロビンフッド」の利用者の平均年齢は31歳と、ロビンフッダーの中心は「ミレニアル世代」なのです。

ロビンフッドでは、FXも仮想通貨もETFも購入できます。ロビンフッダーはゲーム感覚のような手軽なトレードに慣れており、さまざまな投資商品をトレードします。

またロビンフッダーは、相場にも影響力を発揮し始めています。2020年前半に下落した米国株の戻りを牽引したのは、アップルなどの大手IT株ですが、それにもロビンフッダーの動向が関係しています。

ロビンフッド経由の株保有者数がわかるサイト「ロビントラック」によると、米国株が底をつけた2020年3月23日時点で、ロビンフッド経由のアップル株保有者数は延べ約23万人でした。これが2020年8月14日時点では73万人になっています。アップルの株価が195ドルから460ドルになる半年足らずで、ロビンフッド経由の株保有者が50万人も増えたのです。

ロビンフッダーの動向は日本株にも影響を与えています。ミレニアル世代になじみの深い企業であるソニーの株保有者は同期間で約2万人から11万人任天堂は約5万人から7万人に増えています。ロビンフッダーは、ソニーや任天堂の株も買ったのです。ミレニアル世代とロビンフッダーは無視できない存在になってきたことがわかります。しかし残念ながら、2020年8月現在、日本からロビンフッドで口座は作成できないようです。

巣ごもり、給付金で日本のロビンフッダーも増加

ロビンフッドの口座作成はできませんが、日本でもミレニアル世代の口座開設増の傾向がハッキリと出ています。外出自粛が全国的に広まった2020年3月、ネット証券大手の楽天証券では新規口座開設が16万を超え過去最多となりました。そのうち7割超が投資初心者でした。

オンライン証券口座数トップのSBI証券では、2020年6月末の総合口座数が570万口座と前年同期比20.9%増、2位の楽天証券の口座数は440万と同30.4%増です。楽天証券は1~6月で新規口座の開設数が約65万口座、SBI証券では約42万口座でした。楽天証券の昨年1年間での新規口座開設数が75万口座だったことを考えると、急増といえるペースです。

新規口座開設ラッシュは2020年2月から始まっていますので、企業がリモートワークを導入し始めた時期と重なります。経済情勢による株価急落をチャンスとみた個人が、株式投資に動いたのです。

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スマホトレードのメリット・デメリット

ここでスマホトレードのメリット・デメリットを整理しておきましょう。

スマホトレードのメリット1:場所を選ばずどこでも株のトレードができる

自宅に限らず、通勤途中の電車内やレストラン、リゾート地など通信環境さえあれば、どこでも株式投資が簡単にできます。「場所を選ばない」ことは最大のメリットといえ、インターネットが普及する昔から考えると夢のようです。

スマホトレードのメリット2:時間を選ばずいつでも株のトレードができる

通勤時間、ランチタイム、アフター5を使って、株価チェック、株の注文、約定確認、情報入手などができます。立会時間中なら、パソコンからの注文と相違なく容易にスピーディーに注文を出すことも可能です。立会時間外でも、立会時間外の取引であるPTS取引がスマホで行える証券会社も増えています。日経平均先物、FX、海外株なども立会外時間と関係なくアプリでできます。スマホで24時間いつでもトレードができる環境になっているといってもいいでしょう。

スマホトレードのデメリット1:電波、バッテリーがないとトレードができない

携帯電話の通話エリアが広がり、Wi-Fi環境も整ってきたとはいえ、やはりまだ電波がない場所はあります。ネット接続ができない環境や、大きな事故などでスマホが不通になった場合は、トレードが行なえません。同様に、外出先でスマホのバッテリーがなくなるなど、環境やスマホの状態に左右されるリスクもあります。

スマホトレードのデメリット2:誤操作などのエラーには注意

スマホアプリはシンプルで直感的にトレードできるよう、使いやすさ、スピードを重視しています。アプリの画面デザインも見やすいよう工夫がほどこされていますが、画面そのものの小ささから、誤操作で売り買い、株数や値段を間違えて注文してしまうリスクは、パソコンよりも高まるでしょう。

また、移動中など時間にあまり余裕のないなかでトレードをする際も、自宅でパソコンのモニターを見ながらじっくり操作するときに比べると、誤操作の危険度は上がるといえます。慌てず、急ぎすぎず、落ち着いたトレードを心がけるようにしましょう。

スマホトレードのデメリット3:端末紛失など個人情報漏洩のリスク

常に携帯しているスマホは紛失するリスクがあります。また周囲からのぞき見されるリスクもあります。紛失に注意するとともに、画面ロックをこまめにする、のぞき見防止フィルターを付けるなども検討したいところです。駅やカフェなど、フリーWi-Fiが使用できる環境では通信内容などが傍受されてしまう可能性があるので、接続の際は注意が必要です。

スマホトレードのデメリット4:総合能力ではパソコンには及ばない

スマホトレードの機能は年々向上しています。とはいえやはり、証券総合口座の管理、レポートやチャートなど投資情報分析では、まだパソコンの利便性にはかなわないでしょう。

とくに新興のスマホアプリでは、信用取引などの制度面、提供される情報面が不足気味です。スマホトレードを始めたとしても、将来的に本格的な資産運用をするのなら、パソコンでのトレードも行えるようにしておくといいでしょう。

スマホトレードのデメリット5:NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)非対応も多い

新興のスマホアプリでは、節税効果のあるNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)に対応していないケースがあります。ネット証券のアプリでも一般NISAの注文ができないものもありますので注意しましょう。

ネット証券大手5社のスマホアプリ

ネット証券大手5社のスマホアプリを紹介します。いずれもiPhoneまたはAndroidで利用可能です。

SBI証券 アプリ名:SBI証券株アプリ

スマホとは思えない情報量と利便性を追求したアプリです。チャート、板、歩み値を1画面で見ながら発注できるため、パソコンと遜色ない利便性を誇ります。情報量も主要指標、適時開示、株主優待など圧倒的です。登録可能銘柄数が1万件と他社アプリにくらべて非常に多いのも特徴です。

チャートは、豊富なテクニカルと使いやすいトレンドライン機能をもった多機能チャートです。Push通知の機能の充実も特長的で、約定通知ならびに決算発表、権利付き最終日など、重要な企業のイベントを通知する機能が備わっています。銘柄選びに便利なランキング機能も拡張されており、出来高ランキング、値上がりランキングなどさまざまなランキングから注文画面にアクセスできます。

注目は「テーマキラー投資」です。今注目のテーマや、話題のテーマをまとめて買う取引が可能です。例えば、5G関連銘柄、AI関連銘柄、インバウンド関連銘柄などのテーマが30用意されており、そのテーマに関連した10銘柄に一括で投資できます。一般的に、複数企業に分散投資する場合は多額の投資資金が必要ですが、「テーマキラー投資」は単元未満株を活用するため、テーマに関連した10銘柄への投資が5万円から始められます。

また、日本株の立会時間外のPTS取引にアプリで対応しているのは、2020年8月時点でSBI証券だけです。

楽天証券 アプリ名:iSPEED

シンプルさと操作スピードに定評のあるアプリで、注文は最短3タップで完了します。約定をリアルタイムで通知するアラート機能が搭載されているほか、パソコン並みの多彩で豊富な投資情報を利用したトレードが行えます。なかでも便利なのは、通知機能が充実していること。利確や損切りのアラートの設定が可能で、Apple Watchとの連携もユーザーには嬉しい点です。最大2,000銘柄を「お気に入り」登録可能で、12種の情報をスワイプで確認できます。15種類のテクニカルチャートを表示できるほか、トレンドラインの描画機能なども備えています。

また、現物取引、信用取引にも対応しています。閲覧中のチャートや板から、すぐに通常注文、逆指値注文、買えたら売りを出すなどのセット注文も可能で、米国株も注文できます。なお、日経平均先物やFXは別アプリで対応しています。

情報ツールとしての機能では、「TODAY」の画面をカスタマイズして自分で使いやすいオリジナルの投資情報画面を作成できるツールが優れています。ニュースポータルとして、ニュースヘッドライン、動画の市場解説、株主優待情報、カレンダーも確認できます。

マネックス証券 アプリ名:マネックストレーダー株式スマートフォン

モバイルトレーディングに欠かせないスピードを追求しています。スマホに求められる機能として直感的にトレードできるようになっているのが特徴です。株式注文だけでなく、銘柄登録、ニュースヘッドライン、銘柄情報、各種指標、ランキングなど投資に必要な各種情報がこのアプリ1つで完結します。パソコン、タブレット端末と銘柄リストが連携されるのも便利な点です。特殊注文は、逆指値とツイン指値を搭載しています。FXライクな「2WAY注文」もあり、すばやい発注に役立ちます。

投資情報では銘柄ごとのニュース検索が可能です。投資情報も充実しており、マネックス証券が提供する各種レポートもアプリで読むことができます。また、「四季報」「優待」がチェックできるのもメリットといえます。

松井証券 アプリ名:株touch

株取引のほか、先物・オプション取引もできるアプリで、NISA口座での取引も可能です。「株価ボード」の株価は最短0秒で自動更新します。登録できる銘柄は最大400銘柄(20銘柄×20グループ)で、保有中の銘柄、ウォッチしている銘柄のグループ設定ができるため、銘柄管理に優れています。事前に設定しておくことで、さらなる「スピード注文」も利用可能となります。「売り・買い」「価格」以外の注文条件さえ設定しておけば、登録画面、板画面などからタップ1つで発注できるのも特長です。

また、アプリを起動していなくても約定がリアルタイムで通知されるので、トレードのタイミングを逃すこともありません。チャート画面は、株価ボードや株価検索から個別銘柄に遷移したあとに表示され、横画面表示にも対応しています。また、トレンドラインを引ける機能も搭載しています。

auカブコム証券 アプリ名:kabuステーション

“より便利に”“よりスピーディーに”“よりスマートに”をコンセプトとしたアプリです。日本株や投資信託、FX、先物・オプション取引、外貨MMFなど幅広い商品の取引がアプリ1つで行え、ポートフォリオの一元管理が可能です。発注方法は、2WAY注文、板発注、発注パネルと3つあるため、自分のトレーディングにあった方法で注文を出すことができます。また、最短1タップで発注が可能です。

投資に必要な主要各種指数、為替、ニュースに加え、値上がり率ランキング等の市場情報をリアルタイムで確認できます。テクニカル面も充実しており、チャートは13種類のテクニカル分析が可能です。銘柄管理もパソコン版の「kabuステーション」と同期できるため管理が容易です。

スマホ少額取引、ポイント投資がウリの新興証券6社

米国でのロビンフッドの成功を追うような形で、少額投資、低手数料のスマホトレード専用会社のアプリが日本でも誕生しています。スマホトレード専用会社のアプリは、ネット証券会社以上に簡単に発注できるようになっており、口座開設もネット上でほとんど完結します。

SBIネオモバイル証券:単元未満株が買えるほか、低コスト、Tポイントも使える

SBI証券とカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が出資した「SBIネオモバイル証券(通称ネオモバ)」は、2019年4月のサービス開始から11ヵ月余りで30万口座を突破しました。

Tポイントを使った「ポイント投資」や、少額取引として単元未満の株を購入できる「単元未満株投資」が注目を集めています。通常、1単元を100株単位とした場合、株価が1万円を超えるような銘柄は、1単元の100株を買うのに資金は100万円以上必要です。ところがネオモバでは、単元未満の1株で買えるため、1万円の株も1万円で買うことができます。株主の議決権や優待の権利こそありませんが、配当は持ち株数に応じてもらえます。なお、単元未満株の約定時間は、発注時間により、前場の寄付か、後場の寄付、後場の終値になっています。

SBI証券で提供している端株取引の約定1回あたりの最低手数料は、55円です。一方、ネオモバは1ヵ月の約定代金の合計額に対して手数料を支払う方式で、合計額が50万円以下なら取引の回数を問わず手数料は同一の220円です。また「定期買付サービス」を利用することで、積み立てのように毎月同じ銘柄を指定日に買い付けることもできます。

LINE証券:幅広い金融商品の取引が可能

LINE Financial株式会社、野村ホールディングス株式会社が共同出資するのがLINE証券で、2019年8月に営業を開始しました。LINE証券では初心者でも売買しやすいように、国内の主要な上場企業1,000社の株式が「単元未満株取引」で1株単位から売買できます。株式銘柄数はまだ少ないのですが、将来的に増やすことが予定されています。一方で、日本や米国の株価指数などに連動する上場投資信託(ETF)15本の取引が可能です。日本株の取扱数は少なくても、世界の分散投資をETFでしたいならよい選択肢となるでしょう。

LINE証券は、約8,400万人のLINE利用者への普及をめざしており、会員はミレニアル世代よりさらに若い世代を狙っているようです。例えば口座開設時にクイズに正解すれば、対象銘柄3株分の購入代金がもらえる「初株チャンスキャンペーン」、個人に人気の銘柄が、夕方の一定時間にその日の終値よりも安い価格で購入できる「株のタイムセール」など、ゲーム感覚を取り入れ投資のハードルを下げることで、LINE利用者にアピールしています。

2020年5月28日のタイムセールでは、ニトリホールディングス、日本マクドナルドホールディングス、武田薬品工業、ホンダ、安川電機の5銘柄を2時間限定で最大7%オフとしました。1銘柄のみ、5株までの購入条件だったものの、売買手数料は無料でした。

手数料については、買付時は無料となっています。売りは売買代金にスライドしますが、立会時間中なら売買代金が1万円以下で5円、10万円以下でも50円と業界最低水準です。また、ほぼリアルタイム(5秒おき)で約定ができるスピード感も魅力の1つです。LINEの「単元未満株取引」は、FXの取引のように売値と買値が表示され、そのスプレッド(日中:0.2〜0.5%、昼休み・夜間:1.0%)があるので、リアルタイムで約定ができる仕組みとなっています。

CONNECT(コネクト):ポンタと永久不滅ポイント投資が可能

CONNECTは大和証券のグループで、2020年7月に営業を開始しました。デジタル・ネイティブ世代に、スマホをメインチャネルとした証券サービスを提供する目的で設立されています。まさに、ミレニアル世代をターゲットとした会社です。

「ポイント投資」としてPonta、クレディセゾンの永久不滅ポイントなどと連携しています。はじめは100銘柄で単元未満株1株からの投資が行えます。「ポイント投資」は、ポイントを使って疑似運用できるのが特徴で、残高が指定の上場株式の1株価格に達した場合、実際の株式を購入できます。国内株の取引手数料を無料にするクーポンを毎月10枚配布しており、1取引ごとに1枚使え、未使用分は翌月に繰り越せます。

日興フロッギー:メディアと証券のコラボ。dポイント投資が可能

日興フロッギーはSMBC日興証券が運営する“記事から株が買える”投資サービスです。投資情報メディア「日興フロッギー」の記事中に上場企業名が含まれている場合、記事からそのままその企業の株を買うことができます。例えば、サイトで特集された記事、上場企業の経営者インタビュー、投資家の注目銘柄などの記事をクリックすることで直接株を買うことができます。100円から買うことができ、手数料は100万円以下の買いの場合は無料です。なお、売却時は0.5%のスプレッドとなっています。

口座を開設すると、「日興フロッギー」とSMBC日興証券の取引サイト「日興イージートレード」の両方で取引ができるようになります。IPO投資や、積立投資も可能です。

「ポイント投資」ではNTTドコモのdポイントと提携し、2020年3月からdポイントでも株が購入できるようになりました。日興フロッギーでは、「ポイント投資」を「ポイ株」と名付け、多くのキャンペーンを実施しています。

One Tap BUY:米国株の少額取引が可能

One Tap BUY社が提供する証券取引アプリ「One Tap BUY」のサービスです。日本初のスマホ特化の証券会社として2016年10月にネット証券事業に参入しました。「1,000円から株主」「3タップで買える」「手軽に」をキーワードに、わかりやすさ、使いやすさを追求しています。「日米株」と「つみたてロボ貯蓄」サービスを提供しているのが特徴で、国内株130銘柄程度、米国株90銘柄程度の主力株がトレードできます。海外の株や債券のETFも20程度ラインアップされています。

売買手数料はリアルタイムの株価に0.5%発生します。米国株の場合、ニューヨーク市場の閉場時の売買手数料は0.7%になります。なお海外株には、「1米ドルあたり35銭」の為替コストもかかることに注意しましょう。

STREAM(ストリーム) SNSと証券のコラボ

東大発のフィンテックベンチャーFinatext(フィナテキスト)と、大和証券が出資して立ち上げた企業STREAM(ストリーム)が提供する株取引アプリです。株取引とSNSのコミュニティがコラボした「コミュニティ型株取引アプリ」という特徴があります。口座開設者だけが利用できるSNS上で、ユーザー同士がつながり、交流を深めることができます。毎月開催される「ユーザー会」で情報交換ができるため、自身の経験や知識レベルに合った交流が可能です。

日本のロビンフッダーとして新しい相場の担い手に

いまやスマホ投資は当たり前になりました。総合的な機能や操作性、チャートの見やすさなどではパソコンには及ばないものの、基本的な取引はスマホがあればほぼ問題なく行えるでしょう。スマホ利用だけでもいいですし、パソコンとスマホを上手く使いこなして幅を広げるのもいいでしょう。

多くのロビンフッダーが世界の株式市場で存在感を示しはじめているように、今後は日本のスマホ投資家も世界的な影響力を持つような時代が来るかもしれません。

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