現役経営大学生が選ぶ「就職したい企業ランキング」の最新版で、Googleが4年連続首位を獲得。トップ10にゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースといった大手国際銀行が並ぶ中、それを上回るIT企業の人気ぶりを立証した。
かつては人気を独占していた銀行に代わり、近年はシリコンバレー企業が「将来有望な才能あふれる若者」を魅了している。
「生き生きとした職場環境」でも、現実はシビアな世界
米キャリアサイト「ユニバーサム」の調査に協力した米国359校、7万2000人の大学生に、憧れの就職先No.1として選ばれたGoogle。MicrosoftやAmaznon、LinkedInなどと並び、銀行とエリート学生の争奪戦を繰り広げている。
銀行からIT企業に学生の興味が移行した理由のひとつとして、銀行勤務につきまとう「長時間労働、冷酷非情な評判、給与も以前よりさがっている」というイメージに、嫌気がさした学生が増えていることなどが挙げられている。
対するIT企業は「時代の最先端で活躍し、カジュアル思考で給与も抜群」といった、若者を惹きつける魅力満載のイメージ。
サンフランシスコのベイ・エリアのカフェでは、IT企業のスタッフが意気揚々と打ち合わせや休憩をとっている姿などが目立ち、「生き生きとした環境で、思う存分実力を発揮したい」と夢見る若者から羨望のまなざしで見られているという。
「同じ高所得を狙うのであれば、楽しみながら仕事をする方がいい」と考えるのは、当然の人間心理。
スタンフォード大学経営大学院のキャリア・ディレクター、メーブ・リチャード氏も、「IT企業は確実に、銀行と並ぶ人気の就職先になりつつある」と太鼓判を押している。
しかし新たな若者に人気の職業が、「誰にとっても理想であるわけではない」と指摘する声もある。
変化の速度が速い産業だからこそ、時として集中的な労働を求められることも多く、肉体的、精神的な負担も非情に大きい。また基本的にはプロジェクトとして仕事を進行させるため、コミュニケーションスキルが重要になる。ITが好きというだけでは続かない、そんなシビアな世界なのだ。
また堅実性という点では、長年の歴史をもつ銀行にはおよばないうえに、JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスといった大手も、自慢の資本力を屈指してテクノロジーを採用し、FinTechと融合しはじめている。
今後もシリコンバレーと銀行は、ともに若者を魅了しつづけるだろう。( FinTech online編集部 )
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