(写真=PIXTA)
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4月に九州・熊本地震が発生し影響の長期化が懸念された九州地方において、景気回復がクローズアップされている。復興需要などから消費が回復傾向にあり、熊本地震の観光復興向け割引クーポン「九州ふっこう割」の効果も予想以上に大きいようだ。

さらには、NHKが2018年大河ドラマで鹿児島県出身の西郷隆盛を主人公とした「西郷どん」を制作すると発表、九州ブームの高まりが期待され、株式市場でもJR九州の上場が話題となっている。今後、一段と九州関連銘柄が注目されそうだ。

日銀福岡支店は14日、9月の九州・沖縄の金融経済概況を発表し、総合判断を前月の「緩やかに持ち直している」から、「熊本地震の影響が和らぐ中、猛暑による押し上げもあって、緩やかに回復している」に引き上げた。

中でも、個人消費は、熊本地震の観光復興向け割引クーポン「九州ふっこう割」が大きな人気を集めるなど観光支援策が奏功し、「回復しつつある」との見方に上方修正した。「九州ふっこう割」は、7月に販売開始した第1弾に続き、10〜12月の旅行分を対象とした第2弾も9月に販売を開始し、こちらも好調なもよう。

また、JNTO(日本政府観光局)が発表した7月の訪日外客数の動向でも一部で熊本地震の影響が残るものの、好調を取り戻しつつあると指摘。今後はインバウンド(訪日外国人観光客)向けの復調も見込まれる。

国内外の旅行を手掛けるエイチ・アイ・エス(=HIS、9603)でも「九州ふっこう割」の販売を手掛け、4〜9月の九州への旅客数は前年同期を上回っている。一方、HIS傘下のテーマパークのハウステンボス(長崎県佐世保市)の客数は熊本地震の影響を受けて4月以降は前年実績を下回る状況となっていたが、7月以降は回復の動きも出ており、また、ロボットを活用した「変なホテル」(今夏オープン)も話題を集めている。

SFJ、MrMaxなど穴株はヤマエ久野

九州への観光需要増を受け、北九州空港を中心に航空輸送サービスを手掛けるスターフライヤー <9206> への関心も高まりそうだ。7月の全路線の旅客数も前年比で9.5%増と、堅調。業績面では今3月期の非連結営業利益予想を27億円(前期比32.9%増)に引き上げた。

MrMax(週足)

注目銘柄は、九州を中心に展開するディスカウントストアのミスターマックス <8203> 。熊本地震の影響から2店舗に大きな影響が出たものの、他店舗の売上は復興需要で足元では前年同期の2割増で推移している。株価は6月の直近安値260円以降は徐々に下値を切り上げる展開。年間配当は10円(前期10円)を予想するなど配当利回り面でも魅力的だ。今2月期の連結営業利益は16億円(今期は決算期を変更しており、前期との比較はなし)を見込む。

穴株としては、ウエディング事業が好調なアイ・ケイ・ケイ <2198> のほか、食品流通から不動産、レンタカーなどを手掛け、材料が豊富なヤマエ久野 <8108> も面白い。(9月16日株式新聞掲載記事)

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