対策1:教育資金や結婚・子育て資金、住宅資金などに関する贈与制度の非課税措置を活用

税制改正の一つの目玉は、教育資金や結婚・子育て資金、住宅資金などの贈与については一定額まで非課税とする措置が設けられたことだ。通常、日常生活に必要でない金銭の贈与は、110万円を超えると課税される。しかし、教育資金は1,500万円まで、結婚・子育て資金は1,000万円まで、住宅資金は最大1,500万円までが非課税となり、贈与税が課税されない。もちろん、それぞれの非課税措置には非課税を適用すべき要件があり項目ごとに異なるが、この仕組みを利用しない手はないだろう。

対策2:小規模宅地等の特例

相続税を節減するもう一つの目玉として小規模宅地等の特例制度がある。これは、生前から被相続人と同居していた親族がその宅地を相続し、居住用としていることなどの要件を満たした場合には、そこにかかる相続税の80%が減額されるというものだ。さらに、2014年12月31日以前、この減額対象となる面積が240平方メートルだったものが、税制改正により、2015年1月1日以後、330平方メートルに拡大された。そのため、より高額な宅地を持つ世帯にとっては、相続税の負担が減ったことになる。

この要件を満たすには、生前から被相続人と同居することが必要だ。もし可能ならば、二世帯住宅にして、早めに親子世帯が同居するのが望ましい。ただし、区分所有建物の場合にも減額特例の対象となるが、登記の仕方(区分所有登記と共有登記)によって減額部分が変わってくるため注意が必要だ。

相続税対策には、相続税をなるべく節減する節税対策も含まれる。一歩間違えれば「争続(族)」になりかねない相続問題は、生前中にきちんと身内で財産のことについて話し合い、今回紹介したような対策をたてておいた方がいいだろう。 (提供: みんなの投資online

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