ビジネスマン,副業ガイド,ネットオークション,アフィリエイト,クラウドソーシング
(写真=The 21 online)

「収入」だけでなく「やりがい」も手に入れる!

ネットビジネスやアプリの登場で、忙しいビジネスマンにもできる副業が増えてきた。それとともに、副業はお金を稼ぐ手段だけでなく、第2のキャリアの出発点としても注目を集めていると語るのは、副業の専門家として活躍する中野貴利人氏。中野氏に、今ビジネスマンにお勧めの副業と成功のコツ、最新情報をうかがった。

プロの仕事も副業の対象に!?

インターネットの使用を前提とした副業が主流となり、10年以上が経ちます。皆さんご存知の通り、インターネットを介した副業の代表格は、物品を売買するネットオークションや、ブログなどで情報を発信して広告収入を得るアフィリエイト。これらは、好きな場所や時間ででき、最小限のコストで始められるメリットがあるため、今も昔も忙しいビジネスマンから多くの支持を集めています。

ただ最近では、不特定多数の人々に業務を発注するネット仲介ビジネス「クラウドソーシング」による「スキル副業」が新たなトレンドになっています。

「スキル副業」とは、プログラミングやデザインなどといった特技や技能を活かした副業のこと。仲介業者から受注を受け、土日などのスキマ時間を使って作業を進めていくのです。

また、「クラウドソーシング」の発達により、一般人もプロの領域とされてきた仕事に参入しやすくなったという側面も。今まではスキルがあっても活かす場が見つかりませんでしたが、スキルを求める人と、持った人がつながりやすくなったのです。

こうした変化に伴い、副業を単なるお金稼ぎではなく「第2のキャリア」として捉える動きが出てきました。今までのキャリアだけでは実現できない仕事の幅を広げられるからです。収入以外に、自分の趣味や関心のある分野で活躍するやりがい、刺激などが副業の新たなモチベーションになっています。副業がワークライフバランスの重要なテーマとなる日もそう遠くはないかもしれません。

一方で、アプリを活用した副業にも注目。インターネットを使用した副業以上にお手軽だからです。これによって「投資副業」の敷居が下がっています。証券各社が公式アプリをリリースしており、FXや株式投資の取引をスマートフォン1つでいつでもどこでもできるようになっています。

さらに、今話題となっている民泊やシェアリングエコノミーもアプリひとつで簡単にやりくりができる時代となっています。ただし、民泊に関しては、法的にグレーな部分がありますので、副業に慣れないうちは手を出さないほうが賢明かもしれません。また、副業は自社の就業規則の確認をしてから始めましょう。

次ページからお勧めの副業の具体的な始め方や稼ぐポイントなどをご紹介いたしましたので、参考にしてみてください。

ネットオークション

最大のコツは「安値で仕入れ、高値で売る」こと。言うまでもなく決め手はいかに安く仕入れるルートを確保するかにある。たとえば、問屋街や電気街のワゴンセールで安く買ったり、フリマサイトで出品されている商品を格安で購入し、それを転売する。

在庫管理や商品発送に煩わされたくなければ、発送、代金回収を代行してくれる「AmazonFBA 」という無在庫販売のサービスもある。

雑貨やフィギュアなど日本のプレミアグッズを「ebay」などを通じて世界に売るのも手。モノの値段は地域や為替、流行などで変動し、差が生じている。その差が商機となる。

アフィリエイト

自分のサイトやブログにアフェリエイト広告を貼り、広告収入を得る方法。ネットオークションと同じく、お手軽に始められるため、今も昔も忙しいビジネスマンや主婦の間で支持される副業の王道だ。自分の関心事をテーマにしたページ制作が基本だが、副業として稼ぐには、読者が求める記事を感じ取るマーケティング感覚が不可欠だ。

たとえば、旅行業勤務のある30代女性の場合は、育休中に育児ブログをスタート。単なる育児日記の段階では伸び悩んでいたが、同じようなジャンルのブログを研究したところ、育児ノウハウの記事のアクセスが多かったのでその記事を強化したところ、訪問者が伸び、広告収入が月10万円を超えるようになったという。

続けるほど記事やページが蓄積されるので、読者が自動的に流れ込むようになって効率が上がる。ただ、ブログ運営会社によってはアフェリエイト禁止のところもあるので注意。

お勧めは、国内最大手の『A8.Net』と金融・エンタメ・サービス業界に強い『アクセストレード』。前者は、広告主とサイトの数の多さはもとより、管理画面のインターフェースや分析機能が他社より優れている。後者は、アフィリエイトを無料で学べるなど、初心者も始めやすいといった特徴がある。

スキル副業

「クラウドソーシング」というネット上の業務委託仲介サービスが広まったことで、個人がスキルを売ることが容易になった。資格や技能、専門知識といったスキル。もちろん、特技や趣味レベルのスキルでも仕事になる。たとえば、ちょっと絵がうまいレベルでもイラストレーターとして登録可能。プロ級でなくても「安くて早ければいい」という需要もあるからだ。
最近、人気が高いのは相談業。占いや恋愛相談、旅行プラン作成など、必ずしも資格を必要としない分野だ。最初は、低いスキルでもまず始めてみること。そして実績を増やしながらレベルアップして「差別化」を図ることで、月々数万円から百万円以上の収入を得ることも可能だ。

中野貴利人(なかの・きりと)〔株〕ネットピコ代表取締役
1981年生まれ。自身の副業体験を基にした副業情報サイト「フクポン」など17サイトを運営する。その副業スタイルは、テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」のほか、ニューヨークタイムズや朝日新聞、雑誌などでも取り上げられ、注目を集めている。副業に関する著作も多数。(取材・構成:麻生泰子)(『 The 21 online 』2016年9月号より)

【関連記事】
なぜ、企業は社員の「副業」を奨励するのか?
30代、そろそろお金を貯めましょう~夫婦で、シングルで、いくら必要? どう貯める?
貯金がすべて「紙クズ」になる日に備えるには?
トップ営業マン直伝! セールスの4つの手順
なぜ大手企業は「副業」を解禁するのか?