自宅は、自分も家族も一番リラックスできる空間であってほしいものです。しかし、隣人トラブルで悩まされることになる場合もあるのです。 そんな近隣トラブルのとき、金銭面で私たちを守ってくれるのが「保険」です。
今回は、隣の部屋の壁をドンドン叩いて(「壁ドン」して)壁にヒビが入ったケースを例に、考えてみましょう。
隣の家の壁にヒビを入れてしまった場合、保険はおりるの?
Aさんはアパート住まい。隣のBさんは音楽が好きで大音量でロックを聴くのが日課でした。ある日騒音に耐え切れなくなったAさんは、Bさん側の壁を思いっきり殴りつけBさんの家の壁にヒビを入れてしまいました。
このようなケースでは保険はおりるのでしょうか?まずは、対象となる保険について解説していきます。
どんな保険が対象になるのか
保険の対象になるとしたら「火災保険」になります。
まず、「火災保険」は大きく分けると「建物に対する補償」「家財に対する補償」があります。建物に損害があった場合と家の中の家財に損害があった場合との補償になります。
「火災保険」と聞くと火事が原因じゃないと補償されないのでは思うかもしれませんが、火災保険には火事で家が燃えた場合の補償以外にも風災、水災、盗難・水漏れ・破損等などの補償がありあす。ただ、どこまで補償されるのかについては加入している火災保険の契約内容によります。
もし、破損等までのタイプに加入していれば補償範囲となります。
ただし、損害保険の補償対象は「不発的かつ突発的な事故」によるものなので、冒頭のケースの様に殴って壁に穴をあけた場合は事故でなく故意、過失によるものなので補償対象にはなりません。
また賃貸であれば、大家さんと賃貸借契約を結ぶにあたり「借家人賠償責任保険」に加入している可能性があります。これは、賃貸借契約をする際に、損害があった際に元通りにしてもらうため保険加入を条件にしている場合もあります。
一度、大家さんに事情を伝え相談してみると良いでしょう。
保険がおりるケースのポイントは、「うっかり」かどうか
故意ではなく、事故やうっかり破損してしまった場合は補償の対象となり保険がおります。
例えば、掃除をしている最中に、掃除機が壁にぶつかり壁が損傷した場合、家の中で転んだ拍子にバランスを崩し、運んでいた大きな物を壁にぶつけて穴を空けてしまった場合などであれば、故意でなく「不測かつ突発的な事故」にあたるため保険の補償対象となります。
自分が隣人に壁ドンされた時は?
逆に自分が隣人に壁ドンされた側の被害者になった時、自分が加入している保険から補償される場合もあります。
基本的には壁を壊した隣人に損害補償を請求しますが加害者が支払いに応じない場合は、被害者側でも加入している保険が補償の対象になる場合もあります。
火災保険は火事が原因でなくても建物の補償、家財の補償があるため、保険会社によっては「住宅総合保険」や「住まいの保険」などと、 家にまつわる保険だとわかりやすい商品名にしているところあります。
保険は補償の対象になるのかどうかは自分で判断するのが難しいかと思いますが、隣人と補償について話し合う前に、賃貸であれば大家さんもしくは不動産屋に、 自分で保険に加入しているのであれば、保険会社の担当者にまずは相談することが大切です。
今関 倫子
外資系保険会社勤務中にファイナンシャル・プランナー(FP)を目指し、AFP資格取得後、独立系FP事務所に転職。女性を中心に年間のべ200件以上のマネー相談を受ける。独立後は個人相談、執筆、セミナーを中心に活動。「
FP Cafe
」登録FP。
(提供: DAILY ANDS )
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