スイス連邦鉄道(SBB)が10月28日、自動券売機によるビットコインの販売開始を発表した。11月11日以降はスイス国内1000台以上の券売機で、20スイスフラン(CHF)から500CHF(約2122円から53万円)相当のビットコインをウォレットに追加チャージできる。

これまで国内で限定されていた取り扱い範囲が一気に拡大されることで、ビットコインの普及が急速に促進されるとの期待が高まっている。

ビットコインからブロックチェーンまで関心の高いスイス

スイスはビットコインやブロックチェーンの導入に、高い関心を示している国のひとつだ。今年5月にタックス・ヘイブンとしても有名な金融都市、ツークで公共料金のビットコイン決済が世界で初めて試験運転されたほか、大手金融サービス会社、シックス・セキュリティーズ・サービスが米デジタル・アセット・ホールディングスと提携し、証券市場構造へのブロックチェーン採用を模索中である。

またスイス中央銀行もブロックチェーン導入で期待できるコスト削減や不変性といった利点を認識しており、将来的にシステムの一部にブロックチェーンを導入する可能性を示唆している。

SBBの構内ビットコイン販売はこうした国内の新たな風潮とともに、世界1万カ所以上でビットコインが取り扱われているという国際的な視野から、今後のさらなる発展を見こして決定されたものと推測される。

利用法は簡単。券売機で「ビットコイン購入」を選択し、スマホのビットコイン・ウォレットにQRを読みとる。金額を入力し、受信したセキュリティー・コードで認証するだけのスピードチャージだ。

スイスの決済スタートアップ、SweePayとの提携によって実現した新しい試みだが、切符の購入にビットコインを利用できる段階に至っていない点が唯一残念だ。

SBBのウェブサイトでは「低手数料」と掲載されているのみで、具体的な数字などは現時点では不明であるが、年間購入限度は5000CHF(約531万円)、手数料は6%との未確認情報も報じられている。( FinTech online編集部

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