日韓スワップ協定
(写真=Thinkstock/Getty Images)

韓国経済の空洞化が進んでいる。韓国関税庁の貿易統計によると、2014年までは順調に推移していた輸出入が、2015年には前年同期比で輸出が8%減少、輸入も17%減少している。そして、2016年9月時点では輸出が8.2%、輸入が10.5%と減少に歯止めが掛からない。

韓国経済は、海外から輸入した原材料を加工して輸出する構造により支えられていたが、生産拠点の海外シフトにより、韓国ウォン暴落の懸念がでている。そのような中で議論されているのが「日韓通貨スワップ取極(協定)」の再開議論だ。

韓国にとって第2位の投資国「日本」

日韓通貨スワップとは、日本と韓国いずれかの国の通貨に危機が生じた時に、中央銀行である日本銀行と韓国銀行が外貨を融通・交換するという取極(とりきめ)である。

韓国に事業投資を行なっている日本企業は韓国産業通商資源部のデータによると、2016年6月現在で3022社。韓国の外国人投資企業1万6602社全体から見ると18%だが、日本の2015年の対韓投資額は16億7000万ドルで、韓国にとって第2位の投資国である。

韓国の2015年の日本向け輸出額は255億7700万ドルと、中国、アメリカに次ぐ。韓国の対日輸入はさらに多く458億5400万ドルでGCC、中国に次いで3番目である。日本の韓国向け輸出もアメリカ、中国に次いで3番目に多い状況となっている。

日韓通貨スワップの目的「通貨危機の再発防止策」

日本と韓国の通貨スワップには、チェンマイ・イニシアティブに基づく米ドルのスワップと中央銀行間の取極めによる自国通貨スワップがある。

1997年〜98年のアジア通貨危機を受け、2000年5月にタイ・チェンマイで開催されたASEAN+3の財務大臣会議で、通貨危機の再発防止策として二国間の通貨スワップであるチェンマイ・イニシアティブ(CMI)が成立。2010年には多国籍のマルチ化契約(CMIM)に拡大した。

2001年7月、日本と韓国はチェンマイ・イニシアティブ(CMI)にもとづいて、日本から韓国向けの上限を20億ドルとするドル・ウォンの一方向スワップ協定を締結し、2006年2月には日本から韓国向け上限を100億ドル、韓国から日本向け上限を50億ドル、2015年2月23日期限とする双方向のスワップ協定を締結した。

2005年5月27日、日本銀行と韓国銀行はチェンマイ・イニシアティブとは別に、上限を30億ドル相当の自国通貨とする円・ウォンのスワップ協定を締結。当初の期限は2007年7月だったが、2013年7月3日まで延長。リーマンショック後の2009年12月から2010年4月まで、上限を200億米ドル相当の円またはウォンに増額している。

自国通貨スワップは2011年10月から1年期限で300億ドル相当まで増額。同時に政府間スワップも締結し、CMIにもとづくスワップと合わせ、総額700億ドル相当まで拡大した。

翌2012年8月、李明博大統領の竹島上陸を機に日韓関係が悪化。スワップの増額部分は延長されず、日韓スワップは130億ドル相当に下がった。2013年7月3日に期限を迎えた中央銀行間のスワップ協定も延長されることなく終了した。

2015年2月23日にはチェンマイ・イニシアティブの2国間スワップが期限を迎えた。日本政府は韓国の要請があれば延長を検討する方針だったが、韓国政府は経済が好調との理由で延長を求めず、日韓の通貨スワップ協定は終了したのである。