実際に行ってみることが移住の成功のポイント

転居を伴う転職を成功させるには、家族が住みやすい環境を整え、家族の理解を得ることが大切です。転居先エリアに学校や病院など生活インフラが揃っているかを調べるのはもちろん、実際に街を訪れて情報収集するのがいいでしょう。

そうはいっても、やはり一番大事なのは、転職先での仕事の内容や働く環境であることは言うまでもありません。住環境の問題は、そのエリア内で転居すれば解決できる場合も多いのですが、転職先は「合わなかったからすぐ辞める」というわけにもいかないからです。

地方企業への転職に失敗しないためには、自分のキャリアをしっかりと棚卸しし、自分の能力や経験を活かせる仕事は何かを考えることが大切です。また、転職先の企業との相性も重要なポイントです。早期退職の理由で最も多いのは、「入社してみたら思っていた職場と違った」というものです。企業と密にコミュニケーションを取り、転職先の企業文化や仕事との相性を見極めることが肝心です。

インターネットの活用により、居住エリア以外の求人情報も簡単に入手できるようになり、四十代にも選択肢が広がっています。これからのキャリアを考えるうえで、全国に目を向けて観ていただけたらと思います。

多田洋祐(ただ・ようすけ)〔株〕ビズリーチ取締役/キャリアカンパニーカンパニー長
2006年、中央大学卒業。大学在学中よりヘッドハンティング会社で経験を積み、卒業後、エグゼクティブ層に特化した人材紹介会社を立ち上げてトップヘッドハンターとして活躍。12年、人事部長としてビズリーチ入社。ビズリーチのサービスとヘッドハンターとしての経験を融合し、「ダイレクト・リクルーティング」(経営者や人事がインターネットを通じて自ら求職者にアプローチするなど、主体的・能動的に行なう採用活動)と命名。現在はキャリア事業のトップとして、ビズリーチ事業とキャリアトレック事業全体を統括。(取材・構成:前田はるみ)『 The 21 online 』2016年10月号より)

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